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あるコロンビア売春婦と一年間恋人関係にあった私は、不法滞在で強制送還された彼女を追いかけてコロンビア本国に渡って彼女の家を訪ねた。そこで見たものは…
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 三十分ほど散策して、再度ジープで走り出した。ちょうどお昼時に、小さな街に着いた。サンアグスティンの街に戻ったのかと思ったら、まったく違う街だった。サンアグスティンの旅行代理店でもらった簡単な地図で見ると、ものすごく小さなところの印象だったが、実際には何十キロもの広大な地域に遺跡群が散在しているらしい。ジープで見て回れるのも、そのうちの、ほんのわずかのようだった。

 運転手に、街の中の小さなレストランに連れて行かれた。昼食をここで摂るという。昼食込みのツアーのようで、メニューも出されず、運転手も含めて同じ食事が出された。チキンにライス、バナナのフライ、スープ、それにコーラが付くという定番の食事だったが、スープがどんぶりのような大きさだったのには驚いた。

 前日の夜にレストランで食べた食事より、はるかにうまかった。とくにスープははじめての味だったが、うまかった。いままで食べたコンソメ系ではなく、タマリンドか何かの香辛料をたっぷり入れ、鶏肉を煮込んでいた。ツアーのコースに組み込まれているのだから、普通は「高かろう、まずかろう」という観光客専用の店に連れて行かれるケースが多いものだが、観光客そのもののマーケットが小さいのだろう。街の住民が普段利用している、二十人の客が入れば満席の、普通のレストランだった。

 食事をしていると、レストランの前の通りを一台の大きなバスがゆっくり通過した。バスといっても、ボゴタ市内を走っていた、日本と同じような乗合バスではない。横幅が一・五倍はあり、座席はオープンで、パイプの柱が屋根を支えているだけに過ぎない。その屋根には、乗客たちの荷物が満載されていた。座席は木製で、横に八人ほどは乗れる広さだった。

 これが、ボゴタのモンセラーテの山頂の土産屋にあった、「チバ」というコロンビア独特の乗合バスだった。おそらく、一度に大量に乗客を運べるということで、独自に発達したものなのだろう。だが、こんな横幅の広いバスで、狭い山道を走れるのかどうか不思議だった。しかも、時速はどうみても二~三十キロくらいしか出ない。いずれは消え行く運命にあるのだろう。


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フリーライター。国際版SNS30サイト以上登録してネットナンパで国連加盟国193カ国の女性を生涯かけて制覇することをライフワークにしている50代の中年。現在、日刊スポーツにコラム連載中(毎週土曜日)。
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