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あるコロンビア売春婦と一年間恋人関係にあった私は、不法滞在で強制送還された彼女を追いかけてコロンビア本国に渡って彼女の家を訪ねた。そこで見たものは…
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 なんと、このディスコは観光客相手の売春婦のたまり場だったのだ。普段は外で客を引き、休憩がてら、このディスコで踊っているらしい。新宿や大久保にもコロンビアーナたちのたまり場のディスコはあったが、大きく違ったのは、日本ではディスコの中では客を引かないことだった。

 日本のラテンディスコは、彼女たちにとって、ある意味での聖域であった。フリーで入る日本人の男がほとんどいないということもあったが、外では客を引いても、中で「デートしない?」と声をかけてくることはけっしてなかった。ディスコは、あくまでプライベートな空間であり、自分の売春婦という仕事を忘れ、ひとりの普通のコロンビアーナとして過ごす大切な場所だったからだ。

ディスコでは、パジェナートと同様にコロンビア独特の音楽のクンビアが流れていた。

「へえ、いくらなの」

「ショート三万ペソ。泊まり六万ペソね」

 日本円で三千円か。安いなと思った。だが、コロンビアの物価のことを考えれば、三万円相当。日本と同じくらいの価値になる。観光地のカルタヘナだから、いくぶんほかの都市より値段は高いのだと思う。

「誰か気に入った女の子はいる?」

 声をかけてきた女の子は問題外だった。踊っている女の子たちを見まわすと、二人ほどわたしのタイプの女の子がいた。二人とも細身だが、胸は突き出ている。年齢も十七歳か十八歳くらいだろう。だが、ここにいるすべての女が売春婦ではないだろうし、彼女たちもときどき男と踊っていた。へたな難癖つけられてもかなわない。

 だが、それよりもまして、わたしは昼間だけでエバと三回やっていた。あちらの方のエネルギーは、すっからかんになっていた。

「エレーナ。いいよ。おれはもうエバといっぱいやったから。今日はもうできない」

「あっ、そう」

 結局、二時過ぎにエレーナといっしょにマンションに戻った。

 片山氏はすでに寝ていたので、リビングにあった簡易ベッドでわたしは寝た。エバと離れ、いろんな女と遊んでみたいという気持ちもあったが、やはり心の底で彼女のことが引っかかっていた。これでよかったのだと思った。

 


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フリーライター。国際版SNS30サイト以上登録してネットナンパで国連加盟国193カ国の女性を生涯かけて制覇することをライフワークにしている50代の中年。現在、日刊スポーツにコラム連載中(毎週土曜日)。
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