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あるコロンビア売春婦と一年間恋人関係にあった私は、不法滞在で強制送還された彼女を追いかけてコロンビア本国に渡って彼女の家を訪ねた。そこで見たものは…
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 それからが大変だった。持参したリュックサックに順次詰め込んだのだが、マサパンがかなり重い。ひと袋は数百グラムと大したことはないのだが、十数袋も買ったから、五キロの米袋を買ったようなものだった。それに酒やチョコラーテ十二本だけでリュックサックは満杯になった。

 あとの牛乳や肉類などのものはビニールの袋に入れた。それも三袋になったので、二つをエバに持たせた。あまりの重さにエバがブーブー文句を言い出した。

「どうせ、エバ。おまえがほとんど食べるんだろ」

「でも、重い。タクシーで行く」

「ダメだよ。近すぎる。我慢しろ」

 少し歩いて、わたしは後悔した。本当に耐えられないくらい重いのだ。しかし、すでに半分以上の距離を歩いていた。いまさらタクシーを拾うには近すぎた。数回、荷物を下ろし、休憩しながらエバのアパートにたどり着いた。

 部屋に戻ると、エバは牛乳や肉類などを、さっさと冷蔵庫に仕舞い込んだ。まるで自分が買ったかのようである。わたしはエバが冷蔵庫に入れた牛乳を、すぐに取りだし、コップに注いで、ごぶごぶと飲んだ。一杯では喉の渇きが癒せず、二杯、三杯と飲んだ。せめてもの抵抗である。

 

 夕食は外でとらず、買ってきた食料で適当に料理を作った。金曜日の夜だったので、一週間前のようにディスコに行くことも考えたが、ディスコに行けば帰りが深夜になる。エバと過ごす最後の夜だけに、二人っきりでずっといたかった。



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フリーライター。国際版SNS30サイト以上登録してネットナンパで国連加盟国193カ国の女性を生涯かけて制覇することをライフワークにしている50代の中年。現在、日刊スポーツにコラム連載中(毎週土曜日)。
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