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あるコロンビア売春婦と一年間恋人関係にあった私は、不法滞在で強制送還された彼女を追いかけてコロンビア本国に渡って彼女の家を訪ねた。そこで見たものは…
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エバが突然言った。

「リュージ、あなたポリスやイミグレーションに来る、うれしかった。でも、怖かった」

「え、どうして」

感謝されこそすれ、怖がられる理由はない。

「わたし、ポリスでいっぱい嘘ついた。だから、あなた面会に来る。ポリスに何話している分からない。だから、怖かった」

  面会に行ったときは「今度いつ来る」「今度いつ来る」とうるさかった。まさか面会に来られるのを恐れていたとは思わなかった。

「あなた、わたしとどこで会ったと言ったの」

「ディスコで会ったと言ったよ。だって本当だろ」

「わたし、スナックで会ったと言った。わたし、仕事、劇場だけじゃない。スナックもある。彼、お客さんで来て知り合ったと言った。でも、ポリス、『彼はマネージャーだろ』とうるさいね。わたし、『ノー、違う』と何回も言った」

冗談じゃない。本当にマネージャーだったら絶対警察や刑務所に面会なんか行くものか。そんなこと分かりそうなものなのに、なにをマヌケなことを警察は言っているのか。確かに最初に警察に面会に行ったとき、留置担当者からは何も言われなかったが、面会したあと、刑事らしい男にどこで知り合ったのか聞かれた。わたしは正直にディスコで知り合ったと言った。

正確に言うと、彼女の仕事場からディスコに連れて行って知り合ったのだが、まともに話したのはディスコなのだから嘘ではない。「病気になったときに医者に連れていってやったりした」ともわたしは言ったが、刑事は「そりゃ、金がかかったでしょう」などと言っていた。だから、納得してもらったものと思っていた。マネージャーではないかと疑っていたのなら、任意でもいいから事情聴取でもすればいいのだ。

不倫関係だったということ以外、わたしは何のやましいことはないから、ちゃんと答える。ただし、不当な取り調べをされれば断固闘う覚悟はあった。警察もわたしがヤクザ風の男だったら彼女の背後関係を調べようと、しつこく事情聴取したかもしれない。

だが面会申請書に「職業、著述業」と書いたから、たぶんうるさ型だと思われて、とくに何も聞かれなかったのではないか。エバとの面会室での会話を聞いていれば、マネージャーやお客さんと売春婦の関係ではないということも分かったはずだ。

 


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一時間もしないうちに眠くなってきて、気がついたらテレビを点けっぱなしで寝ていた。十時半を過ぎている。エバはまだ帰ってきていない。なにが「九時には帰る」だ。

 

よく考えてみれば、こんな夜遅くに大学に行くのもおかしい。女友だちと、こんな夜遅くまで話し込んでいるということもないはずだ。いくら地元の人間でも、それは危険すぎる。たぶん、男とどこかに行っているのだろう。

 

腹が立ってきたのと退屈なので、エバには悪いと思ったが、少し彼女の部屋を「探検」させてもらうことにした。

 

本棚には、わたしが刑務所に差し入れたスペイン語の心理学の本はなかった。強制送還されたとき、荷物の量が制限されていたので、捨てたのだろう。付き合いだしたころに買ってあげた分厚い西日辞典はあった。これは「日本語を勉強したい」と言われて買ってやったのに、荷物になるからとすぐに宅急便でコロンビアに送ってしまっていたものだ。だから残っているのだろう。

 

テレビの横の整理棚をこっそり開けてみた。さっき見せてくれたアルバムがあった。よく見てみると、写っている男は三人だった。一人は四十過ぎの中年おやじ。黒ぶち眼鏡をかけた小太りの男で、お世辞にもかっこいいとはいえない。こんな男とまともに付き合っていたとは思えない。おそらく、よほど金払いがいい客だったのだろう。

 

もう一人は、上半身裸で筋肉を盛り上がらせているデブ。ホテルの部屋で撮ったのだろう。発展途上国の女は、概してデブに対して寛容だ。やせてガリガリの男より、多少太っている方が男らしいとたいていの女は言う。しかし、いくらなんでも、こんなデブは金を払わなければ相手にしないだろう。

 

あと一人は、三十くらいの地味な男。とりたててかっこよくもなければ、悪くもない。特徴のない平凡な感じの男だ。エバは刑務所に、わたしの他に「水戸の男」が一回だけ面会に来たと言っていた。彼女の本名を知らなくては面会できないから、エバが教えていたことになる。

 

わたしと付き合っていたころは、エバはわたしとマネージャーしか彼女の本名は知らないと言っていた。わたしのあと付き合っていたという男はコイツなのだろうか。写真を破って捨てたくなった。

だが、そんなことをすれば、ただでさえ微妙なエバとの関係が、修復不可能になる。アルバムをそっと元に戻した。

 

 

しばらくしたら、鍵をガチャガャ開ける音がして、エバが戻ってきた。

 わたしは戻ってきたエバに「遅いじゃないか」と少し怒った口調で言った。エバはとくに弁解もせずに「ごめんね」とだけ言った。「お腹空いてるの?」とエバが聞くので、「空いてる。お昼から何も食べてない」と答えた。実際、昼にエバが作ってくれた食事のほか、何も摂っていない。まあ、時差ぼけで眠たくて半分くらいの時間、眠っていたからあまり腹が空かなかったのも確かだった。

 

「わたし、食べた。お昼のご飯まだある。リュージ、食べる?」

 

「食べる」

 

こんなに遅くなったのだから、誰かと食事してきたのは当然だろう。しかし、わたしの食い物くらい何か買ってきてくれてもよかったはずだ。エバのアパートの冷蔵庫には、ジュースと卵が入っているだけ。あとは食パンがある程度だ。およそ女の子の部屋の冷蔵庫の中身とは思えない。

 

自分で何か作ろうと思っても、何も材料がなかった。九時ごろ帰ると言ったので、エバが帰ってからどこかに食べに行くつもりだった。だが、もう遅い。こんな夜中に出かけるのは、初日としては危険な行為だろう。

昼と同じ物をまさか食べることになるとは思わなかったが、仕方なく残り物を温めて食べた。内臓料理は好きでなかったが、これ以外ないのだからしょうがない。

 

 

「どうだった。大学は。オーケーなの?」

 「まだ、分からない。今日、シャチョウ休み。だから、あさってまた行く」

 

話がやはりおかしい。目的だった学長に会えなかったのなら、すぐに帰ってきていいはずだ。友だちと会ってたとしても、一、二時間で用は足りる。十一時過ぎまでいっしょにいたのだから、絶対に男に違いない。

 

「エバ、あなた恋人いる?」

 

再度聞いてみた。

 

「ノー。いない、友だちだけ」

 

半分は信用してなかったが、わたしがこの部屋に寝泊まりしている以上、わたしの方が有利だ。エバがわたしをホテルでなく自分のマンションに泊めると言った時点で、彼女に今どんなボーイフレンドがいようと、わたしの方がより身近な存在だと思った。あとは今夜、彼女を抱き、完全に自分のものにするだけだった。

 

「エバ、イエロー(氷)ある?」

 

わたしは免税店で買ってきたシーバースリーガルの封を開けた。エバも飲みたいと言う。二人でシーバースをロックで飲みながら、CDを聞き始めた。エバはまた、中島みゆきのCDをかけた。よほど気に入ったらしい。

 

「リュージ。これ、ベリーグッド。ありがとう」

 

「あっちこっちに行って買ったんだよ」

 

  中古CD屋を何ヶ所も回った甲斐があったというものだ。

 

「エバ、明日サルサのCD買いたい。今度はあなたヘルプ。探してるのはこれ」

 

わたしは以前から探していて、日本で手に入らなかったCDのリストを彼女に見せた。エバは「オーケー」と言った。

 

「あと、この人に電話したい。お昼に電話した彼ね。もう一回電話する」

 

「オーケー」

 

  エバはわたしがメモした音楽ライターの電話番号に電話した。しばらく話していたあと、電話を切ってから言った。

 

「彼、もう日本に帰った」

「え、本当。しょうがない。オーケー」 

 

コロンビアの現状を、在留日本人がどう見ているのか、何人かから聞きたかった。たぶん、明日会う商社マンは運転手付きの車で移動し、メイドを何人も使うという、日本では考えられない豪華な生活をしているだろう。ゲリラや強盗に狙われるのを防止するため致し方ない面もあるが、それではわたしが聞きたい一般庶民の生活が実際どうなのか分からない。 

 

その点、たぶん音楽ライターは普通のコロンビア人と同じ生活をしているに違いない。そういう庶民的な生活をしている日本人は、ほかにツテがなかった。ぜひ会いたかった人だが、帰国してしまったのではしょうがない。

 

七時ころ、ようやくインターフォンが鳴った。下の守衛からだろう。インターフォンを切ってから、エバが言った。

「友だちが来た。わたし、行く。あなた、どうする。どこかに行く?」

コロンビアに来たばかりで、まだ右も左も分からないし、もう夜になっている。一人歩きは危ない。それに時差ぼけで無性に眠たかった。

「ここにいる」

「そう。あなた、テレビ見てる。オーケー?」

エバはベッドルームにあるテレビのスイッチを点けながら言った。

「じゃ、行って来るね。リュージ」

「何時に帰るの」

「九時」

 

 

エバが出て行き、わたしは彼女の部屋にひとり取り残された。テレビのリモコンをカチャカチャやってみたが、三チャンネルあるだけだった。それもあまり映りがよくない。わたしのスペイン語能力では、何を言ってるのか、さっぱり分からなかった。

 

しかし、その国の文化を知るには、テレビは格好の材料だ。ドラマが多いのか、ニュースが多いのか。それともバラエティが多いのか。CMにはどういうパターンが多いのか。眺めているだけでも、いろいろなことが分かってくる。

CMはアメリカのものと雰囲気は変わらなかったし、演出力も普通だ。かつての日本のローカル局のCMのように、静止画像にナレーションだけというような単純なものはなかった。

東南アジアに行くと、日本のアニメを現地語で吹き替えて放送しているのをよく見る。日本のアニメの質の高さが評価されているわけだが、さすがに地球の裏側のコロンビアでは放送されていないようだった。

では、イランやタイ、中国など、世界何十カ国かで放送されたという、あの「おしん」はコロンビアで放送されたのだろうか。彼女たちに直接尋ねたことはなかったが、少なくとも彼女たちから「コロンビアで『おしん』を見た。感動した」という言葉を聞いたことはなかった。

放送されていたのなら、一度くらい話題に上ってもいい。もし放送されていたら、彼女たちコロンビアーナの日本に対する見方が変ってきていてもいいからだ。

コロンビアーナたちは、一様に日本人がみんな金持ちだと思っている。確かに日本自体はバブルがはじけたとはいえ、いぜん金持ち国家だろう。しかし、普通のサラリーマンは、家のローンや家族を養うのに汲々としていて、わずかな飲み代を捻出するのにも苦労している。

ところが、それをいくら説明しても、彼女たちには分からない。いや、わざと分かろうとしないのか。

彼女たちコロンビアーナたちと頻繁に接触できるのは、自分の金をある程度自由にできる自営業か自由業、あるいはヤクザ屋さんたち、ごく一部の男だけだ。ショート三万円の女とデートするなんて、一ヶ月数万円の小遣いで我慢している大多数のサラリーマンは、年に二回のボーナスのときくらいしかできないだろう。

そんなビンボーなサラリーマンでも、いざデートのときになると、女の子にねだられてチップをはずんでしまう。欧米人のように、タイやフィリピンのゴーゴーバーで、ビール一本で何時間もかけて好みの女の子を探すなんて芸当は、日本人には逆さになってもできない。だから、日本人はみんな金持ちだと思い込んでしまう。

コロンビアーナに限らず、日本に出稼ぎに来ている女たちは、日本がわずか数十年前まで、彼女たちの国以上に貧乏だったことを知らない。「からゆきさん」に代表されるように、むしろ日本の女が東南アジアに「売春出稼ぎ」に行っていたのだが、そんな事を言っても嘘つきだと言われてしまうのがオチだ。

コロンビアで「おしん」でも放送してくれれば、わたしの説明に納得してくれて、日本人を金儲けの対象としか見ない彼女たちの意識とのギャップも埋まるのではないかと思うのだが…。


夕方五時には大学に行くと言っていたのに、五時を過ぎてもエバは出かける様子を見せない。不思議に思い、「もう五時になったよ。大学行かないの」と言った。すると、「友だち来るの、待ってる。いっしょに行く」とエバは言った。

わたしは「あー、男だろ」とカマをかけてみた。しかし、「ノー、女」ときっぱり言った。わたしは少し安心した。

ふたたび土産に持って来た日本のCDを聴いていると、エバが「日本、会いたい」と言いながら、日本で撮った写真の数々を持ってきた。「日本、会いたい」というのは、日本が懐かしいという意味だった。

楽屋で撮った自分のセミヌードの写真に混じって、数人の男と写っている写真が十数枚あった。中にはラブホテルの入り口で撮ったらしい写真も含まれていた。わたしには「写真は嫌い」と言って、なかなか撮らせなかった。ましてやホテルでの写真など、絶対に撮らせなかった。それなのに、他の男にはこんな写真を撮らせていたのか。ムカッ腹が立ってきた。

写真の日付から見ると、わたしと知り合う前に撮った来日直後の写真数枚以外は、全部わたしと別れた前年五月以降のものだった。それ自体は、文句は言えない。

ところが、わたしの写真は一枚もなかった。あまり撮らせなかったとはいえ、海や遊園地、鎌倉などへ遊びに行った写真が数百枚はあるはずだ。

わたしの表情が曇ったのを見て取ったのか、エバが言い訳をした。

「あなたの写真、ない。たぶん、イタリアにある。お姉さん、持っていった」

「ノー。たぶん、あなた、ゴミにしたね」

「ノー。ある。イタリア」

確かにサリーとエバの三人で豊島園に遊びに行ったことがあり、その写真を何十枚も渡したことがある。だから、その写真を持っていくなら分かる。だが、いくらサリーが日本を大好きで、わたしに好意を持っていたとしても、エバと二人だけで行った銚子の犬吠岬や鎌倉での写真まで全部持っていく必要はないはずだ。

エバはわたしの写真を、全部捨ててしまったのに違いない。そういえば、わたしの前に付き合っていたというイラン人の写真もなかった。そのイラン人とも、彼女はすごい喧嘩別れをしたらしい。その時点で全部破り捨ててしまったのではないか。

いま持っている写真は、そんな決定的な喧嘩別れをする関係ではなかった「お客さん」に撮ってもらった写真なのだろう。

「でも、これ、もうすぐゴミにする」

  エバは言い訳がましく言った。本当に捨てる気があったら、もうとっくに捨てているはずだ。忌まわしい楽屋での写真など、本来なら真っ先に捨てているだろう。それなのにまだ未練がましく持っているのは、まだ「ジャパンマネー」に執着しているからなのか。

わたしと別れる前だったら、こんな他の男の写真など絶対に見せなかった。それよりなにより「仕事」でホテルに行く以外、遊びに行くことはしなかった。男の写真を平気で見せたということは、いまわたしのことを何とも思っていない証拠なのか。本当に腹が立ってきた。


「あなた、ここに寝る」と、エバはソファを指差した。

もちろん、ベッドルームには豪華なベッドがあるのだが、そこは使わせてくれないらしい。たぶん、体臭や汚れが残って、サリーにバレるのを恐れているのだ。

わたしは当座に必要なものだけをリュックサックに移し替え、トランクだけを残してエバの部屋に戻ることにした。サリーの部屋にはテレビも置いてないし、冷蔵庫にも何も入ってなかった。ここは寝るとき以外、退屈すぎて何もできない空間だった。

エバの部屋はサリーの部屋の一階下だから、エレベーターを使わず、階段を降りていこうとした。ところが階下から人の話し声がした。エバと同じ階の住人がエレベーターを待っているらしい。

「リュージ、ちょっと待って」

エバは足を止めて言った。数十秒で話し声が消えた。恐る恐る階段を降りた。エレベーターの前には誰もいなかった。

彼女のマンションは、同じフロアーに三つしか部屋がない。同時にエレベーターの前でぶつかる可能性は稀なのだが、その偶然が起こったらしい。

もう一度、エバの部屋に戻った。ホテルにキャンセルの電話をしなくてはと思ったが、彼女は「大丈夫、問題ない」といっこうに気にしてない。別に予約料も払っていないから、損をするわけではない。だが、何の連絡もなしに予約をキャンセルされたらホテルも困るだろうと、よけいな心配をしてしまうのは、わたしが日本人だからだろうか。

ダイニングルームの机の上に、一枚のチラシが置いてあった。マンションの外観がイラストで描いてあった。不動産会社のチラシらしい。

「エバ、これ、なに?」

「これ、アパート。わたし、いま、新しいアパート探してる。サリーの前のハズバンドといっしょに探してる。彼、助ける。明日も、彼と探しに行く」

「このアパートはどうするの」

「ここ、レンタルする。そのお金でわたし、大学に行く」

  いくら日本で稼いだか知らないが、コロンビアで学生生活を送っていれば、貯金は確実に目減りしていく。それでもう一つアパートを買い、この部屋をレンタルに回してその家賃を生活費に充てようというのだ。金銭感覚がしっかりしているエバらしかった。

  それにしても、チラシのマンションの名前は「バンコク」となっていた。日本では、わざわざ開発途上国の都市の名前など、イメージダウンになってしまうから使わないだろう。コロンビアでは、タイのバンコクという地名が我々日本人とは違うイメージがあるのかもしれない。

 

「エバ、電話貸して。カルタヘナの片山さんに電話するから」

 

「ノー、できない。わたしの電話、まだ市外電話のコントラト(契約)してない」

  電話がつながったので、当然コロンビア全国に電話できるものと思っていたら、市内と市外の契約は別だというのだ。コロンビアの電話状況は、まだ日本の戦争直後の状態みたいらしい。

「日本には電話できるだろ。コレクトコールで」

  いくらなんでもボゴタには、日本のKDDみたいな会社があるはずだ。そこに電話してコレクトコールを頼めば、国際電話の契約をしていなくてもだいじょうぶだと思ったのだ。

「たぶんできる。でも、コロンビアのオペレーター少し。忙しい」

「とにかく、かけてみないと分からないぞ。どこに電話したらいいんだ」

  エバが真新しい電話帳をひっくり返して探し始めた。しばらくして、「ここ」と指差した。だが、試しにかけてみたが「ツー、ツー」という話し中の発信音が聞こえるだけだ。時間をおいて、何度もかけてみたがまったくつながらない。

「エバ、オペレーターって何人いるんだ」

「たぶん、二人くらい。コロンビアにはテレコンある。そこに行けばできる。明日行く。オーケー?」

  五百万人の大都市にたった二人だと。それではつながるわけがない。わたしは電話するのをあきらめた。


プロフィール
HN:
出町柳次
性別:
男性
職業:
フリーライター
趣味:
ネットでナンパ
自己紹介:
フリーライター。国際版SNS30サイト以上登録してネットナンパで国連加盟国193カ国の女性を生涯かけて制覇することをライフワークにしている50代の中年。現在、日刊スポーツにコラム連載中(毎週土曜日)。
新著「体験ルポ 在日外国人女性のセックス」(光文社刊)好評発売中。
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