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あるコロンビア売春婦と一年間恋人関係にあった私は、不法滞在で強制送還された彼女を追いかけてコロンビア本国に渡って彼女の家を訪ねた。そこで見たものは…
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「お姉さんに電話してくれた?」

「ノー、まだ。明日、裁判見に行くでしょ。そのあと、夜に電話する」

 突然、エバの表情が変わった。

「ノー。ダメ」

「わたし、裁判、初めて。だから恥ずかしい」

「だって、裁判がどうなるか見ないと、お姉さんに電話できないでしょ」

「……」

 わたしの主張に、エバは渋々納得した。

「リュージ。わたし、冬の服、前に全部コロンビアに送った。だから、今度帰るとき、服ない。だから、『コットン』欲しい。お願いします」

「コットン?」

 綿がどうしたというのだろう。言っていることがよく分からない。服が欲しいというのは分かったが、それがなぜ「コットン」なのか分からなかった。

「彼の服にちょっと似てる。黒い、長い」

 エバは刑務官の着ている制服を指差していった。どうやらコートが欲しいと言っているようだ。

「それ、コートのこと?」

「そう」

「でも、コートは高い」

「だいじょうぶ。安いのでいい。二千円、三千円」

 コートなら、どんなに安いバーゲン品でも、一万円はするのではないか。またまた出費させられるのかと思うと、頭が痛くなった。

「わたし、自分のお金で買いたい。でも、ここでは出来ない。だからお願いします。エレガントのね」

「エレガント?」

「そう、エレガント」

 最後の最後まで贅沢言っている。これには刑務官も苦笑した。

「オーケー。今度ね」

「ノー。明日」

「明日? 明日は出来ない。明日は裁判でしょ。話は出来ない。見るだけ。たぶん、あなた、明日イミグレーションにチェンジするから、今度イミグレーションに行く」

「ホント?」

 エバが刑務官に尋ねた。

「普通はそうですね」と彼は言った。

「だから明日はプレゼントできない。分かった?」

「分かった。待ってるね」


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出町柳次
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男性
職業:
フリーライター
趣味:
ネットでナンパ
自己紹介:
フリーライター。国際版SNS30サイト以上登録してネットナンパで国連加盟国193カ国の女性を生涯かけて制覇することをライフワークにしている50代の中年。現在、日刊スポーツにコラム連載中(毎週土曜日)。
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