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あるコロンビア売春婦と一年間恋人関係にあった私は、不法滞在で強制送還された彼女を追いかけてコロンビア本国に渡って彼女の家を訪ねた。そこで見たものは…
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 エバがやっと十日間の休みを取ったのは、知り合ってから約八ヶ月後だった。サリーの恋人のイタリア人が二ヶ月間来日していて、その彼が帰るという週に、エバとサリーも休みを取った。その週は、エバとサリーの三人で、豊島園に行ったり、横浜の山下公園に遊びに行った。サリーがイタリア人と暮らすために短期間、友達のコロンビアーナから又借りしたアパートで、食事も作ってもらったりした。

 その二ヶ月後、サリーが自主的に帰国することになった。その週は、エバはプロモーターから地方の仕事を割り当てられた。姉と最後までいっしょにいたいという彼女は、地方の仕事を断り、休みを取った。

 姉のサリーは、イタリア人の恋人が帰国したあと、イラン人の恋人を作り、その男のアパートに転がり込んでいた。もっともサリーはそのイラン人を愛しているわけではなく、利用しているだけで、そのアパートを拠点にしてなじみの客に電話をかけ、最後の荒稼ぎにいそしんでいた。

 イラン人のアパートは埼玉にあり、同僚と二人で木造の古いアパートに住んでいた。現場労働者だった。わたしは事情を知らされておらず、エバに「今週は休み。お姉さんがいるアパートに連れていって」と言われてピックアップしただけだった。アパートに行き、イラン人が出てきてびっくりした。

「どうなっているんだ。お前、もうひとりのイラン人と恋人なのか」

「心配しないで。何もない。お姉さんといっしょにいるだけ」

 そんなことをいわれても、ひとつのアパートに二人の男と二人の女がいる。一組は出来あがったカップルだ。残された二人に何もないはずはない。だが、きちんと話をするまもなく、エバは荷物を持ってアパートの中に消えて行った。

 数日後、エバから「お姉さんを成田空港に連れて行って」と頼まれた。わたしは約束した時間に埼玉のアパートに行った。しかし、アパートから運び出したのは、サリーのトランクだけだった。

「エバのマレータ(トランク)は」

「いいから、あとで。時間ない」

 エバに促されて、わたしたちは車に荷物を運び込んだ。イラン人は悲しそうな顔をしていた。エバによると、サリーは前夜まで、彼女が帰国することを告げていなかった。帰国することを告白されたイラン人は、涙をポロポロ流して「帰らないでくれ」と言ったという。だが、サリーが本当に愛しているのは彼ではなく、イタリアに帰ったイタリア人だ。裏も表も知っているわたしには、イラン人が哀れでならなかった。

 成田へ向かう途中、サリーがわたしにコンドームを持ってないかと尋ねた。確かに車のダッシュボードの中に、コンドームを入れてある。万一のことを考えて、置いてあるものだ。だが、サリーがどうしてコンドームが欲しいというのか分からない。戸惑っているわたしを見て、「恥ずかしくない。早く」とせかした。

 箱の中から三個のコンドームを抜き出すと、サリーはドルの札束を取り出し、丸めてコンドームの中に入れる仕草を示した。

「コロンビアのイミグレーション、泥棒するからね。お金たくさん持っていると危ない。だからコンドームにお金を入れて、オマンコの中に隠しておくの」

 確かにコロンビアだけでなく、開発途上国の入管は腐敗している。大金を持っていると、入国の際に難癖を付けられて、金をたかられるという話はよく聞く。オーバーステイで帰国するのだから、サリーがコロンビアの入管で難癖をつけられる可能性は充分あった。

 だが、コンドームにコカインやハッシッシなどの麻薬を入れて、飲みこんだり局部に隠して持ちこむ手口は新聞などでも知っていたが、現金を局部に隠すというのは初めて聞いた。

 サリーが持っていたドルは、百ドル札で百枚以上あったと思う。百万円以上だ。ほかにも持っていたかもしれない。銀行送金もこまめにしていたが、銀行送金にすると手数料を取られる。ドルで持ちこむ危険性と、手数料との損得勘定をして、最終的に現金で持っていくことにした分である。

 彼女はわずか九ヶ月しか日本に滞在しなかった。借金は背負っていなかったから、まるまる彼女の懐に入ったはずだ。おそらく最低でも五百万円は、日本人やイラン人などの客からふんだくったと思う。エバの姉でなかったら、絶対に関わりたくないタイプのコロンビアーナだった。

 空港での検問が心配だったが、サリーのパスポートとチケットを見せ、わたしたちは「見送りです」と言うと、すんなり通過できた。車を駐車場に入れ、先にターミナルで降ろしていたエバたちと空港内で落ち合った。

 サリーのチェックインを終えて、わたしたちは空港内のレストランで食事を摂った。珍しく、しまり屋のサリーが送ってくれたお礼にご馳走するというのだ。

「リュージ、ありがとうね。わたし、コロンビアに帰ったら、あとでイタリアに行く。あなた、イタリアに来たらわたしの家に泊まっていいよ。あなたはわたしのファミリーと同じだから」

「うん、行くよ」

 本当に行くかどうかは分からないが、イタリアにも興味があった。彼女たちコロンビアーナは、日本だけでなく、スペインやフランス、イタリア、イギリス、ドイツなどの西欧先進国にも出稼ぎに行っていた。コロンビアには、スペイン系だけでなく、ドイツやイタリアからの移民の子孫もいる。日系ペルー人や日系ブラジル人が日本に出稼ぎに来るのと同じような現象が起きていた。機会があれば、西欧のそういう事情も見てみたいと思っていたのだ。

 


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