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あるコロンビア売春婦と一年間恋人関係にあった私は、不法滞在で強制送還された彼女を追いかけてコロンビア本国に渡って彼女の家を訪ねた。そこで見たものは…
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 朝の八時に起きた。シャワーを浴び、パンと卵焼きとコーヒーの食事を済ませた。DPE屋が開く時間を待って、タクシーに乗った。車で五分くらいの距離の店にエバはわたしを連れていった。「フォト・ハポン」という名前の店だった。

 そういえば、コロンビアに来て以来、この「フォト・ハポン」という名前の店をよく見かけた。DPE屋のチェーンらしい。だが、どうして「ハポン(日本)」という名前が付いているのか気になっていた。

「エバ。どうして『フォト・ハポン』て言うんだ。社長は日本人なのか」
「知らない」

 彼女は、そういうことにはまったく無関心だった。ガイドブックには、「日本人ではなく、韓国人経営のチェーン店という噂があるが、定かではない」と書かれていた。あとで調べたら、実際にはメデジンの人間が経営しているチェーン店で、日本製のカメラが優秀なので、イメージアップのために名付けただけらしかった。

 受け付けの男に一時間で仕上がるか尋ねたら、無理だといわれてしまった。土曜日で、人手が足りないというのだ。

「ほらみろ。ダメだろ」
「次、行く」

 エバはまだ諦めなかった。もう一度タクシーに乗って、エバのアパートの近くにある別のDPE屋に行った。ここでも無理だと言われた。

「もう帰ろう。写真は日本で現像して、ちゃんと送るから」
「しょうがない。でも、早く送って。本当に早くね」

 エバは自分のカメラでも、撮っているのである。わたししか撮っていないのならともかく、ここまで固執する理由が分からなかった。どういう心境の変化なのだろうか。

 エバのアパートまで、歩いて戻ることにした。途中、前に寄った薬屋で、帰りの飛行機で時差ぼけ用に飲むための睡眠薬を買った。前回買ったのは、強いから気をつけて飲むようにと言われたわりには効き目が弱かった。

 しかし、飛行機の中で眠れずに十数時間もエコノミー席にいるのは苦痛だ。日本に帰って、またボーッとした状態が何日も続くのは、仕事のためにも避けたかった。
 
 エバの部屋に戻り、十一時にタクシーを電話で呼んだ。十分ほどで、タクシーが到着したことを告げるインターフォンが鳴った。トランクにボストンバッグ、リュックサックという重装備で、エバと共に空港に向かった。

 ボゴタの町並みが、タクシーの窓から流れていく。二週間近いコロンビアの旅も終わりだ。そして、エバとも、あと数時間で別れる。当分の間、会うことはできない。ひょっとしたら、二度と会うことはないかもしれない。

 エバはどう思っているのか。最初、エレーナに言ったように、厄介払い出来てホッとしているのだろうか。いろんな思いが頭をよぎった。
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自己紹介:
フリーライター。国際版SNS30サイト以上登録してネットナンパで国連加盟国193カ国の女性を生涯かけて制覇することをライフワークにしている50代の中年。現在、日刊スポーツにコラム連載中(毎週土曜日)。
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