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懸けてあるバスタオルで体を拭いて、下着を着替えた。エバと「恋人関係」だったころなら、すぐにセックスになるところだ。だが、なにか「壁」を感じていた。彼女もわたしの「違和感」を感じ取ったらしく、「リュージ、ここ、セックスだめ。ホテル、オーケー。わたしの部屋、だめ」と言った。
彼女は千葉にアパートを借りていたときも、ここではセックスをしないと言ったことがある。わたしの自宅に連れていったときも嫌がった。千葉のアパートは、姉のサリーに男を部屋に入れてはいけないと言われていたからだった。そのくせサリーは、恋人のイタリア人を二ヶ月間も住まわせていたし、わたしもサリーのいないときに、エバとなし崩し的にセックスした。
もったいつけてるだけだろうと思い、「どうして。アパートあるのに、わざわざホテルに行ってセックスしたら、『仕事』になっちゃうだろ。あなた、まだ、『ビッキー』なのか」と意地悪して言った。
エバは「ノー。もう、ビッキー死んだ。あなた、ここに泊まる、だめ。ここ、みんなハイソサエティね。日本人のあなたといっしょにいると、わたし、日本で悪い仕事していたと思われる。みんな、おしゃべり」と言った。
それで納得した。彼女はわたしがこのマンションに出入りすることによって、「ジャパゆきさん」であることがバレるのを恐れているのだ。それで別にホテルを取ってくれと言ったのだ。
ここのマンションの住人は、ほとんどが会社の役員とか弁護士のような高級取りなのだろう。ただでさえ、彼女のような若い女が一人暮らししていれば目立つ。そこに得体の知れない日本人が出入りすれば、隣近所の格好の噂になるだろう。
しかし、そんなことは前から分かっていたはずだ。日本から電話したとき、エバは「わたしの部屋に泊まっていい」と約束したではないか。それなのに、いまさらそんなことを言うのは約束違反だとムカっときた。
「ノー。あなた、恋人いる。だから、わたしがここにいると困るんだろ」
「ノー。恋人いない。友だちだけ」
「エバの言うの友だちは、全部セックスある。日本語の『友だち』は、セックスないのを『友だち』と言うんだ」
エバは日本にいたとき、常連のお客さんを「友だち」と呼んでいた。もちろん、お金をプレゼントしてセックスをするお客さんである。それを皮肉って言ったのだ。
「ノー。わたし、六ヶ月セックスない。十一月に捕まってから、今まで、セックスない」
エバは強く言い張った。彼女はあまり嘘を言わない女である。日本人の水商売の女なら、商売に差し支えがあるから旦那やヒモがいても隠す。「わたし、いま恋人募集中なの」なんて平気で言う。しかし、ラティーナの多くは男が傷つくようなことでも無頓着に言ってしまう。水商売やってるなら、もっと気を遣えと言いたくなるほどである。
エバも数年前までボゴタで学生をしていたのだから、大学時代のボーイフレンドが残っていてもおかしくない。しかし、あれほど言い張るのだから、セックスのある関係ではないというのは本当だろうと思った。
「だから、あなたホテルに行く。オーケー?」
二、三日中に、仕事の関係で日本とファックスのやりとりをする必要があった。ある月刊誌に原稿を書いたのだが、そのゲラが出ないうちにコロンビアに来たからだ。しかし、彼女の部屋にはファックスどころか電話さえなかった。いずれファックスのあるホテルに泊まる必要があったので、「オーケー」と答えた。
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