[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
エバと二人でタクシーに乗り込み、ボゴタ市内に向かった。エバはアパートまで三十分くらいだと言った。市内に向かう道は完全に舗装されていて、道幅もかなり広い。そして、街路樹などもきれいに整備されている。
道の両側の家並みも、それなりにきちんとしていた。空港に着陸する寸前に、上空からボゴタの街並みを見たが、赤茶色に屋根が塗られた一軒家が整然と立ち並んでいるのが印象的だった。その風景は、ロサンゼルス上空から郊外の住宅地を見たのとあまり変わらなかった。
エバは、日本でわたしと金銭的な問題で喧嘩したとき、いつも「あなたはコロンビアの貧しさが分からないから、そういうことを言うんだ」と言っていた。確かに貧しいから出稼ぎに来るのだろうが、空港から少し離れただけでスラムが目に飛び込んで来るフィリピンなどに比べると、道路などのインフラがしっかりしていて、どこが貧しいのかと思ってしまう。
貨幣価値はフィリピンとほとんど同じで、日本の十分の一なのに、それほど悲惨さを感じさせない。もちろん、本格的なスラム街は別にあるのだろうが、タクシーで見ている限り、オーストラリアあたりの地方都市を走っているような錯覚を覚えた。
わたしは急に膨らんでしまった財布が気になり、財布をポケットから取り出して、両替したばかりのコロンビア紙幣を見ようとした。すると、エバが「ダメ、危ない」と言って制した。人前で財布を見せてはいけないと言うのだ。
確かに開発途上国で、人前で財布を見せる行為は、盗んでくれと言わんばかりの行為となる。しかし、走っているタクシーの後部座席で、しかも運転手の真後ろに座っているわたしは死角になる。見えるはずがない。見えるとすれば、走っているバスの窓からくらいだろう。
それでも、エバはわたしに注意を促した。その神経の使いように、改めて危険な国に来てしまったのだということを実感させた。
新著「体験ルポ 在日外国人女性のセックス」(光文社刊)好評発売中。
「サイバーセックス日記」http://demachiryuji.seesaa.net/
「洋楽カラオケ日記」
http://ameblo.jp/demachiryuji/
「裏ストリップ30年回顧録」
http://arecho.blog98.fc2.com/