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あるコロンビア売春婦と一年間恋人関係にあった私は、不法滞在で強制送還された彼女を追いかけてコロンビア本国に渡って彼女の家を訪ねた。そこで見たものは…
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「あと、何欲しい」

「そうだな。パンツとシャツ。あと靴下」

  出されたパンツはボクサー型とビキニ型だったが、わたしはいつもボクサー型を愛用しているので、ボクサー型を二枚買うことにした。シャツも二枚、靴下も二枚買った。

  清算しようとすると、エバが「スーツは買わないの。コロンビア安いよ」と言った。いくら安いと言っても、コロンビアでスーツを着ることはあるまい。着たら強盗に狙われるだけだ。お前はいつから店員になったんだとむかついたので、「いらない」と無視してチェックを頼んだ。

  二万円くらい取られるかなと思ったが、意外にも約十万ペソ(一万円)くらいだった。案外安かったなと思ったが、現金が乏しくなっていたので、カードで払うことにした。手続きをしてもらっている間に、エバに「この中で両替ができるところはないか聞いてくれ」と言った。

「この店の向かい側にある」

  エバが言った。ズボンの裾上げが出来上がるまで、両替をしたり、ショッピングモール内を見て回ることにした。

  教えられたところは貴金属店だった。東南アジアでも、「マネーチェンジャー」という看板を掲げてなくても、貴金属店などで両替やクレジットカードでキャッシングできるところがある。それと同じようなものなのだろう。

  店員がいくら両替をしたいかと聞いてきた。こういうところのレートの相場がどうなっているか分からないから、とりあえず二百ドル両替することにした。ところがわたしが渡した百ドル札を、店員はルーペを使ったりしてじっくりチェックしている。

  疑われているような気がして、いい気分ではなかったが、副業でやっていることもあって、新ドル札をまだ見慣れていないのかもしれなかった。

  チェックが終わって、ペソが渡された。十九万八千ペソ。百ドル九万九千ペソだった。空港よりはるかにレートがいい。両替を終えたあと、エバが「ここレート高い。あなた、もっとチェンジする、オーケーよ」

  しかし、あまり多額の現金を持つとろくなことはない。エバにだって、わたしがいっぱい金を持っていると思われると、どこまでたかられるか分からないから断った。


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フリーライター
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自己紹介:
フリーライター。国際版SNS30サイト以上登録してネットナンパで国連加盟国193カ国の女性を生涯かけて制覇することをライフワークにしている50代の中年。現在、日刊スポーツにコラム連載中(毎週土曜日)。
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