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翌朝、七時過ぎに目が覚めた。ベランダの窓を開けると、ホテルのプールが目に入った。四月だから、朝の空気はまだ肌寒い。この季節、プールに入るものは誰もいないらしく、プールには枯れ葉が漂っていた。
九時にはジープが迎えに来る。それまでに早めに朝食を済ませておこうと、エバを起こして階下の食堂に行った。ふたりの子供を連れたファミリーが、先に食事をしていた。朝食は、万国共通のトーストに卵焼き、コーヒーという簡単なものだった。
部屋に戻って、荷物の整理をした。ジープでの遺跡めぐりが終わるのは、予定では三時過ぎだった。それまで荷物を残しておくと、超過料金を取られるので、チェックアウトをしておき、荷物はフロントに預けておこうと思ったのだ。
荷物の整理が終わり、エバに「荷物を預かってくれって、フロントに言ってくれよ」と言うと、「あなた、自分で言う。スペイン語の勉強!」と拒否された。わたしにどうしてもスペイン語を覚えさせようというのだ。
「エバ、荷物を預かってくれって、どう言うんだ」
「プエデン・グァダールメ・エル・エキパッヘでいいの」
「分かった。でも、もうすぐ迎えに来る時間だよ」
「わたし、まだドライヤーで髪を乾かしているから、あなた先に行ってて」
チェックアウトの時間がかかるのを予想して、わたしは九時十分前にフロントに降りて行き、チェックアウトを済ませ、荷物を預かってもらった。宿泊代はクレジットカーが使えたので、カードで払った。
だが、九時になってもエバが降りてこない。じれて部屋に戻ると、まだドライヤーを使って髪を整えていた。女がのんきに化粧するのは万国共通らしい。わたしは「早く、早く」とせかして、階下に連れて行った。
幸い、まだジープは来ていなかった。
「ほらね。まだだいじょうぶでしょ」
エバが言った。どうしても、日本人のわたしには時間をきっちり守るクセが抜けなかった。
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