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あるコロンビア売春婦と一年間恋人関係にあった私は、不法滞在で強制送還された彼女を追いかけてコロンビア本国に渡って彼女の家を訪ねた。そこで見たものは…
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 片山氏が言った。

「リュージさん。マリアは知ってるだろ」
「ええ、クリスのアパートで」

 クリスの名前を耳にしたエバの顔が、一瞬引きつった。

「どうして、クリスのアパートでマリアと会ってるの」
「昔、説明したろ。ディスコに連れて行けと言われて、しかたなくいっしょに行ったって」

 そのときの事情を知っているマリアも、わたしを弁護してくれた。それでエバは、しぶしぶ納得した。自分の浮気は許せても、他人の浮気は許せないというのがコロンビアーナ気質なのだ。

 エバは、彼女の一番の親友だったクラウディアの消息をマリアに尋ねた。友だちを作らなかったエバに比べ、オープンな気質で、顔の広いマリアはクラウディアの自宅の電話番号を知っていた。

「でも、これ古い番号。彼女、引っ越すといっていたから、いまは変わっているかもしれない。彼女、モンキーハウス(拘置所)に三ヶ月も入っていたから、精神的にちょっとおかしくなってるって噂だよ」
「それ、本当? かわいそうね。分かった。電話してみる。ありがとう」

 警察や入管に捕まったコロンビアーナは、一週間で気が狂いそうになるという。まして、裁判となったら三ヶ月はくらう。やくざでも音を上げるものがいるという厳しいブタバコ生活で、実際に精神的におかしくなる女がいても不思議ではなかった。普通の女子大生だったエバが、無事に帰ってこられたのはラッキーといえた。
 
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 三十分ほどで空港に着いた。トランクを引きずりながら、待ち合わせのレストランに向かった。

 片山氏はすでにレストランで昼食を摂っていた。片山氏には連れがいた。エレーナたちが強制送還されたあと、片山氏の恋人だったマリアである。彼女はエバが強制送還された少しあと、自主的に帰国していた。

 マリアとエバは、何度か仕事場がいっしょだったので、顔見知りだった。わたしもマリアには見覚えがあった。エバと知り合うきっかけを作ったクリスのアパートで会ったことがあったのだ。
 エバと付き合い始めて一ヶ月くらい経っていたとき、新宿のディスコで偶然、クリスと再会した。エバはそのとき地方に行っていて、わたしは男友だちといっしょだった。クリスはわたしに携帯の番号を教えろと言い、わたしとエバとの関係を知らない彼女は、それ以来しつこく迫ってきた。

 関係を持ったら絶対にエバにばれるとわかっていたわたしは、「恋人がいるからセックスは出来ない」と逃げていたのだが、「それならディスコに連れて行け」と迫られ、エバが地方に行っているときに何度かディスコにはいっしょに行った。その際、彼女のアパートに送って行ったときに、マリアが遊びに来ていて、言葉を交わしたことがあったのだ。

 これには後日談があった。アパートに送っていったあと、わたしはクリスがカセットテープを車の中に忘れていったのを見つけた。今度会ったとき返せばいいやと、わたしはダッシュボードの中にしまっておいた。

 数日後、東京に戻ってきたエバが、普段そんなことはしないのに、なぜかそのときダッシュボードを開けて、テープを見つけた。テープには、クリスが曲名を書いていた。わたしたち日本人が書くローマ字や数字と、彼女たちコロンビア人のとは明らかに違いがある。たとえば、7という数字は、下に引っ張るところにヽを入れる。「7」と書くのである。

 このテープを発見したエバは、無言でカセットに入れ、音楽をかけた。

「このテープ。クリスのでしょ。わたし、分かる。どうしてあなた、このテープを持ってる」と、わたしをなじった。楽屋で音楽をかけあっているので、テープに入っている曲で誰のテープか分かったらしかった。

 わたしは正直に、すべての経緯を話した。性的関係はないのだから、堂々と、「信じないんだったら、クリスに話してみろ」と開き直った。エバは、「このテープ、わたしがクリスに返す」と言って、バッグの中にしまった。

 それから一週間後、クリスと会ったエバは、「リュージに二度と電話をするな」と怒鳴りつけたそうだ。その話を聞いたとき、わたしはクリスの誘惑に負けなくてよかったと、ホッと胸をなでおろしたものだった。
 朝の八時に起きた。シャワーを浴び、パンと卵焼きとコーヒーの食事を済ませた。DPE屋が開く時間を待って、タクシーに乗った。車で五分くらいの距離の店にエバはわたしを連れていった。「フォト・ハポン」という名前の店だった。

 そういえば、コロンビアに来て以来、この「フォト・ハポン」という名前の店をよく見かけた。DPE屋のチェーンらしい。だが、どうして「ハポン(日本)」という名前が付いているのか気になっていた。

「エバ。どうして『フォト・ハポン』て言うんだ。社長は日本人なのか」
「知らない」

 彼女は、そういうことにはまったく無関心だった。ガイドブックには、「日本人ではなく、韓国人経営のチェーン店という噂があるが、定かではない」と書かれていた。あとで調べたら、実際にはメデジンの人間が経営しているチェーン店で、日本製のカメラが優秀なので、イメージアップのために名付けただけらしかった。

 受け付けの男に一時間で仕上がるか尋ねたら、無理だといわれてしまった。土曜日で、人手が足りないというのだ。

「ほらみろ。ダメだろ」
「次、行く」

 エバはまだ諦めなかった。もう一度タクシーに乗って、エバのアパートの近くにある別のDPE屋に行った。ここでも無理だと言われた。

「もう帰ろう。写真は日本で現像して、ちゃんと送るから」
「しょうがない。でも、早く送って。本当に早くね」

 エバは自分のカメラでも、撮っているのである。わたししか撮っていないのならともかく、ここまで固執する理由が分からなかった。どういう心境の変化なのだろうか。

 エバのアパートまで、歩いて戻ることにした。途中、前に寄った薬屋で、帰りの飛行機で時差ぼけ用に飲むための睡眠薬を買った。前回買ったのは、強いから気をつけて飲むようにと言われたわりには効き目が弱かった。

 しかし、飛行機の中で眠れずに十数時間もエコノミー席にいるのは苦痛だ。日本に帰って、またボーッとした状態が何日も続くのは、仕事のためにも避けたかった。
 
 エバの部屋に戻り、十一時にタクシーを電話で呼んだ。十分ほどで、タクシーが到着したことを告げるインターフォンが鳴った。トランクにボストンバッグ、リュックサックという重装備で、エバと共に空港に向かった。

 ボゴタの町並みが、タクシーの窓から流れていく。二週間近いコロンビアの旅も終わりだ。そして、エバとも、あと数時間で別れる。当分の間、会うことはできない。ひょっとしたら、二度と会うことはないかもしれない。

 エバはどう思っているのか。最初、エレーナに言ったように、厄介払い出来てホッとしているのだろうか。いろんな思いが頭をよぎった。
 彼女はわたしのCDを一時間以上もかけて、せっせとコピーしていた。

「いいかげんにしろよ。そんなに欲しいのなら、あとで日本で全部コピーして送るから」
「ちょっと待って。もうすぐ終わるから」

 ようやくエバのコピーが終わったのは、十二時過ぎだった。ベッドに入ってきた彼女に、わたしは迫った。もちろん、拒否はしなかった。彼女が絶頂を迎え、わたしも果てようとしたとき、わたしは言った。

「べべ(赤ちゃん)作る。オーケー?」
「ダメ。わたし、まだベベいらない」

 子供を作ってしまえば、エバをこのまま独占出来るのではないかと思ったのだ。もちろん、子供がいても、男と別れて日本に出稼ぎにやって来る女はいっぱいいる。子供を作ったからといって、彼女をずっと独占出来るとは限らない。しかし、少なくとも今のボーイフレンドと別れさせ、子供の生まれるまでの間はほかの男を寄せ付けないことは出来る。

「ダメ。もし出来たら、わたし、ゴミにする」

 子供が出来たら、堕胎するというのだ。カトリックでは、堕胎は禁じられている。だが、実際には日本ほど日常茶飯事ではないが、コロンビアでもヤミで行うことは出来る。それをするというのだ。

「どうして。日本人のおれの子供を作って、おれが認知すれば、子供は日本人になるよ。そしたら、エバは日本人のママだから、日本に来ることが出来るんだ。エバは裁判で執行猶予三年になっているから、法律上は三年は日本に来れない。でも、前科があるから、普通だったら死ぬまで日本には来れないよ」
「わたし、まだ子供いらない。もうすぐ大学行く。子供あったら大学行けない」
「お金だったら、出すよ。生活費も送る」
「いくら」
「毎月五万円だったら、生活できるだろ」
「ダメ、百万円くれるならいい」

 わたしは諦めて、膣外射精で果てた。

 彼女の「大学に行きたい」という願望は相当なものだった。三年のブランクがあったから、本当に卒業できるかどうかは別問題だが、勉強したいという願望は、日本に来たいというもの以上だった。わたしは諦めるしかなかった。

 言葉だけではなく、そのときは、子供が出来たら認知する覚悟はあった。お金も、充分ではないにせよ、ある程度は送るつもりもあった。エバはマンションもあるから、生活するだけなら毎月数万円で足りるはずだった。それくらいだったら、エバと付き合っていたときにかかったのより、はるかに金額が低いのだ。

 無理に作ったら、途中で彼女の考えが変わって、生んだかもしれない。それは五分五分だと思った。だが、万一でも「ゴミ」にされるのは嫌だった。やはり、彼女の頭の中には、コロンビア人と結婚し、コロンビアに骨を埋めるという気持ちが今は強いのだと思った。
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本日土曜日、夕刊フジに書評が掲載されます。南米系、欧米系、東欧系、アジア系、アフリカ系等、世界中の女性とのセックスをセックス文化人類学的に分析して書いたものです。


体験ルポ 在日外国人女性のセックス 51カ国、5000人を”制覇”した男の記録

プロフィール
HN:
出町柳次
性別:
男性
職業:
フリーライター
趣味:
ネットでナンパ
自己紹介:
フリーライター。国際版SNS30サイト以上登録してネットナンパで国連加盟国193カ国の女性を生涯かけて制覇することをライフワークにしている50代の中年。現在、日刊スポーツにコラム連載中(毎週土曜日)。
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