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だが、気になっていたのは、エバの荷物だ。イラン人のアパートに置きっぱなしになっている。送って行ったとき彼女とは、サリーが帰ったあと、次の仕事先に行くまでの四日間は、わたしがウィークリーマンションを借りて住まわせることになっていたからだ。
「エバ、どうして荷物、持ってこなかったんだ」
「だいじょうぶ。お姉さんが彼に頼んで、四日間居させてもらうことにした。だから、心配ない」
わたしはカッとなった。
「だいじょうぶじゃないだろ。もうひとりのイラン人は、お前の恋人か」
「違う。友だちだけ」
「だったら、サリーが帰ったら、お前があそこのアパートにいる必要ないだろ。わたしがウィークリーマンション借りてあげると約束してたじゃないか。どうして、いるんだ。おかしいだろ。あのイラン人とセックスするんだろ」
「しない。もししても、お金もらう」
数日間いっしょにいたのだから、何もなかったとは思えなかった。だが、プロ中のプロであるサリーが付いていたのだから、金をもらわずにセックスさせることはなかったと思う。しかし、サリーがいなくなる以上、わたしはあのイラン人たちからエバを引き離したかった。それで最後の賭けに出た。
「もし、エバがあのアパートにいるのなら、わたしはエバとはセパレートする。今日でラストだ。もう会わない」
「何もない。だから、心配ない」
「だったら、どうしてあのアパートにいる必要があるんだ」
話は堂々めぐりになった。泊まるところはわたしが用意すると言っているのだから、彼女がイラン人のアパートにこだわる必要性はまったくない。ほかにこだわらなくてはならない理由があるはずだった。
わたしは脅しでエバと別れると言ったのではなかった。エバの言ってることは理屈が通らない。どんな事情があるにせよ、わたしではなく、イラン人のアパートを選ぶのなら、きっぱりと別れるつもりだった。
沈黙が続いた。わたしが真剣なのを見て取ったのだろう。サリーが突然言った。
「リュージ、あなた、エバのこと愛してる」
わたしはちょっと返事に詰まり、しばらく間を置いてから「愛してる」と言った。
「わたしもエバの話はおかしいと思う」
サリーが意外な援護射撃をわたしにしてくれた。それで流れが変わった。
「リュージ、分かった。わたし、あなたの借りてくれるアパートに行く。でも、わたし、今週休み。仕事ない。だから、お客さんとデートする。それはオーケー? あなた怒らない?」
そこまでは束縛できなかった。わたしが彼女に現金を払えない以上、休みの間に彼女がなじみの客とデートするのは黙認するしかなかった。
サリーは、「リュージ、あなた、エバの恋人。妹をよろしくね」と言った。
サリーを見送り、わたしたちは高速でイラン人のアパートに戻った。だが、アパートの近くで、エバは「ここで待っていて。わたし、ひとりで行く」と言った。やはりおかしい。もうひとりのイラン人にアプローチされていて、わたしがいっしょに行くと、話がこじれて喧嘩になることを恐れたのではないか。わたしのことを恋人だと言わず、「ただの客だ」とごまかしていたのではないか。
二十分ほど待たされて、エバがトランクを持って戻ってきた。
「もうひとつ荷物ある」
わたしはエバに付いて、アパートに荷物を取りに行った。サリーの「恋人」だった男が、さびしそうな顔で、「もし時間があるなら、お茶でも飲んで行きませんか」と言った。エバがどう説明したのかしらないが、関わりを持ちたくなかったので、「時間がない」と言って断った。
それに、エバを待っている間に携帯電話で都内のウィークリーマンションに予約を入れた。七時にチェックインすると言っておいたので、道が混むと遅れる可能性があったのだ。
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