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「あと、ボゴタで何する?」
わたしはボゴタにいる間、二人の日本人と会うつもりだった。一人は日本の商社の駐在員で、日本にいる友人から紹介状を送ってもらっていた。もう一人はある音楽雑誌にコロンビアの音楽事情を書いていたボゴタ在住の日本人だった。こちらも雑誌社から連絡先を聞いていた。
わたしは彼らから、日本人の目から見たコロンビア社会の実態を聞こうと思っていた。
エバからいろいろ聞くことはできるが、帰国して間もない彼女から聞けることには限界があるし、ボゴタの日本人社会についての知識は皆無といっていいだろう。
とくにわたしはコロンビアの音楽事情について知りたかったから、音楽雑誌に寄稿していたK氏には、ぜひ会って、コンサートやディスコの情報や、日本では手に入らないサルサやメレンゲ、バジェナートなどのCDの入手先を聞きたかった。
エバに、二人に会って、食事でもしながらいろいろ話をしたいと言うと、喜んで賛成してくれた。
エバの部屋には電話がなかったので、一階のボーイのいるところまで降りていった。そこにはコイン式の電話があった。マンションの住人で、電話がない人は、ここから電話する。また、外から電話がかかってきた場合はボーイが取り次ぎ、インターフォンで知らせ、ここまで降りて来て電話するシステムになっているらしい。完全ガードの高級マンションのくせに、各戸に電話がないというのもちぐはぐな感じがするが、コロンビアの電話事情はそこまで悪いということだ。
わたしはまず、商社の駐在員に電話した。幸い彼は在社していた。紹介状は届いていたらしいが、彼の話し振りからすると、どうもあまり歓迎されていない様子だった。紹介してくれた友人も、直接彼を知らなくて、テレックスで頼んだだけだった。どこの馬の骨がやってきたのだという気持ちだったのだろう。だが、なんとか翌日の午前十一時に訪問する約束は取り付けた。
音楽ライターの方もかけてみたが、こちらは不在だった。
ふたたびエバの部屋に戻った。彼女はわたしが汗臭いからシャワーを浴びるように言った。前日、ロサンゼルスでトランジットしたとき、待ち時間が十六時間あったので、空港近くのホテルで仮眠した。そのときシャワーを浴びたが、それから丸一日経っている。
エバは昔から匂いには敏感で、少しでも汗臭いと「シャワー、シャワー」とうるさかった。エバ自身も、一日何回もシャワーを浴びていた。劇場の仕事をしていると、出番や客がつくたびにシャワーを浴びることになる。一日十何回浴びることもあっただろう。それで癖になったのかもしれない。
「オーケー。もう熱いお湯が出る」とエバは言った。少し前に温水タンクのスイッチを入れておいたらしい。電気代をケチって、利用するときにしかスイッチを入れないところがエバらしい。
ベッドルームの奥にトイレ、洗濯機置き場、シャワールームがあった。シャワールームは、その一番奥にあった。浴槽はなく、シャワーだけだった。
お湯はたっぷり出た。置いてあるエバのシャンプーを使い、頭を洗い、石鹸でざっと身体を洗った。わたしはいつもカラスの行水だ。別に浴槽があってもなくても変わりはない。
石鹸が置いてある場所にカミソリもあった。男物だ。男が出入りしているのか。一瞬気になった。しかし、洗面所でなくシャワールームだ。脇毛を剃るためのものだろうと自分を納得させた。そのほかには、男物は見当たらなかったからだ。
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