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三十分ほど走ったところで、ジープの運転手が「降りろ」と言った。あとに付いていくと、ちょっとした滝があった。イグアスの滝とかのような大したものではない。しかし、このあたりではけっこう大きいので、名所になっているのだろう。
ドイツ人のアベックが、もっと見晴らしがいいポジションをと、わたしたちが見物している場所より一段低い、せり出した崖っぷちのところに行って、写真を撮り出した。アメリカ人の男もそれに続いた。しかし、足を滑らしたら真ッ逆さまに崖下だ。ここも防護柵などはまったくない。運転手も「危ない」などと注意もしない。日本の観光地では考えられないことだ。事故があっても、それは自己責任だという考え方が徹底しているのではないか。
エバが「わたしもあそこで見たい。一緒に行こう」と言い出した。しかし、そこに畳一畳ほどの広さの出っ張りである。もしかした、亀裂が入っていて、崩れ落ちるかもしれない。
「危ないから、やめろ」と言うと、横からアメリカ人の男が手を差し延べて、エバを導いた。女を寝取られたような気持ちになった。
ビデオを取り出し、撮影を始めると、ドイツ人の男が「それは何だ」と聞いてきた。「ビデオカメラだ。日本製だ」と答えると、不思議そうな顔をした。液晶のハンディカムを見たことがないようだ。ドイツなら日本と並ぶ技術大国で、このぐらいのビデオカメラは診慣れていると思ったが、一年に及ぶ南米大陸放浪で、こういう物とは無縁に過ごしてきたらしい。
ジープに戻って、また走り出した。しばらくすると、車は小高い丘の上に停まった。前日に見たのと同じような石像が、あちらこちらに建っている。前日見た「パルケ」があちこちから集められて人工的に配置されているのに対して、ここのは作られた古代のままに整備された遺跡のようだった。
みんなで歩きながら見ていると、いつのまにかアメリカ人とエバが一緒に歩きながらスペイン語で話している。ドイツ人のアベックはアツアツだから、わたしひとり除け者にされた格好だ。エバの心の中には、まだ日本人と一緒にいると恥ずかしいという気持ちがあるのだと感じた。
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