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タクシー代千五百ペソを払い、車を降りた。
「ここがお姉さんの家」
エバは正面の家を指差し、玄関をどんどん叩いた。
「隣りはイグレシア(教会)。日本人やってる」
そう言われて隣りをよく見てみると、本当に日本語とスペイン語で教会の看板が掲げてあった。しかし、十字架が屋根にあるというような教会らしさはまったくない。看板がなければ普通の民家だ。「イエスの御霊…」と書いてあるところから見ると、「モルモン教」や「エホバの証人」のような、キリスト教でも新興宗教にあたる教団なのだろう。
カトリックやプロテスタントの教会が日本に伝道師を送り込むというのは、フランシスコ・ザビエル以来、無数にある。また、日本の仏教教団や新興宗教が外国に日本人を布教のために送り込むこともよくある。日系人や在留邦人の多いロサンゼルスやブラジル、ペルーなら日系人のための教会があるというのも聞いている。
だが、コロンビアには在留邦人どころか日系人さえも少ない。ということは、コロンビア人のために日本のキリスト教団が、カトリックの本拠地に日本人の伝道師を送り込んでいるということになる。こんな例は、わたしは聞いたことがなかった。
ガチャガチャと音がして、ドアが開いた。中から五十歳くらいの太ったオバさんが出てきた。色が黒い。明らかにメスティーソだ。エバも少し黒いが、エミルセほどではなかった。
「リュージ。彼女、エミルセ。わたしのお姉さん」
「メ・ジァモ・リュージ。ムチョ・グスト」(リュージです。よろしく)
「ムチョ・グスト」
エミルセは笑顔でわたしを家に招き入れてくれた。わたしに対する敵意はまったくない。妹を助けてくれた恩人という気持ちがあるからだろうが、一般的にも女性のほうが男性より日本人に対して好意的なような気がした。日本人の男に自分の国の女を取られているという敵意があるのではないか。
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