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「エバ、顔とか言葉で、コロンビアのどこの出身か分かるのか」
「顔は分からない。でも、言葉は分かる」
典型的なペルー人顔というのはある。インディオの血が濃いからだ。だが、ペルーにも金髪の白人はいるし、外見は日本人そのままの日系人もいる。インディオの血が少し入っているエバのように、インディオは南米大陸の隅々までいて、スペイン系、イタリア系、ドイツ系などの白人、アフリカ系の黒人がいろんなバリエーションで交じり合っているから、たしかに顔だけでは国や出身地を判断するのは難しいだろう。
だが、ブラジルを除くほとんどの中南米の国で話されているスペイン語には、地域差があるのだろうか。たしかにスペイン語の教科書には、「元気ですか」という挨拶が、スペイン本国では「コモ・エスタ」と言うのに対して、中南米では「ケ・タル」が用いられている、などと書かれている。
だが、スペイン語自体が、ラテン語からフランス語、ポルトガル語、イタリア語などと分かれた一方言のようなもので、中国語における北京方言、上海方言、広東方言などよりはるかに共通性がある。スペイン語とポルトガル語など、お互いの言語で会話しても意思疎通が出来ると言われているほどだ。
日本語でも、「ありがとう」が関西弁では「おおきに」となる。わたしたちは小さいときから大阪弁をテレビなどで耳にしているので違和感がないが、この「ありがとう」と「おおきに」をローマ字表記にしたら、外国人はとても同じ国の言葉だとは思わないだろう。
それに比べたら、スペイン語は耳で聞く限り、あれほど広大な地域で話されていても、日本語よりはるかに共通性があった。だから、コロンビアとメキシコ、ペルーといった国別の方言は多少あるものの、コロンビア国内で方言があるのかどうか気になっていたのだ。
「エバ、コロンビアには方言があるのか。たとえば、日本でも東北や大阪で言葉が違うだろ。あれと同じの」
「あるよ。ボゴタとカリも違うし、メデジンも違う」
「えっ、あるの。どう違うの、やってみて」
「えーとね、ボゴタはこう。『ジョ ソイ(わたしは)……』。メデジンはこう『……』」
「カリは」
「……」
「サンタンデールは」
「……」
たしかに、間延びした感じだったり、早口だったりという違いはあった。だが、単語そのものはまったく同じだった。この程度の違いだったら、個人差による発音の違いもあるのではないか。
「単語は違わないのか。話し方だけ?」
「そう。話し方だけ。ゆっくりだったり、早かったり」
「でも、こっちに来たら、なんか、みんな『リスト』という言葉を使ってるよ」
コロンビアーナも含めたラティーナは、英語の「オーケー」をそのまま使っていた。スペイン語の教科書には「バーレ」と書いてあるのだが、知っている限り、日本にいるラティーナたちはみんな「オーケー」を使っていた。それが、カルタヘナに来たら、どうも「オーケー」の代わりに「リスト」という言葉を使っているようで、気になっていたのだ。
「ああ、『リスト』はカルタヘナのように、カリブ海に近いところで使われているの。でも、ボゴタでも使ってる人、少しいるよ」
日本に戻ってから聞いたのだが、ボゴタで使われているスペイン語は、スペイン本国で話されているのと近く、そのためボゴタ出身者でスペイン語の教師をしている喪のが多いのだそうだ。もっとも、これはボゴタ出身の女性から聞いたので、多少身びいきがあるかもしれない。
別のボゴタ出身の女性と新宿東口を歩いていたら、数人の観光客とすれ違った。彼らの話しているスペイン語を聞いて、彼女はすぐに「彼らはスペイン人」と断定した。スペイン自体にもセビリアやバルセロナなどには方言があるという。それでも「スペイン本国」をくくる大きな特徴があるのだろう。
アルゼンチンの女性からは「アルゼンチンにはイタリア人の移民が多いので、少しイタリア語なまりになっている。だから、わたしが日本に来たときは、コロンビア人の話すスペイン語がよく分からなかった」と聞いた。国別になると、けっこう大きな違いがあるのだ。だが、わたしのような初心者には、そんな微妙な違いが分かるようになるには、一生かかっても出来そうになかった。
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