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なかなかエバたちは戻ってこない。時間が長く感じられた。それでも二十分くらいしただろうか。エバたちがにこにこしながら戻ってきた。
「リュージ。サンダル、千ペソだったよ。最初に行ったお店は五千ペソと言われたの。そしたら彼女が『高い』と言って、別のお店に行ったら安いのがあった」
エバは、買い物の手助けをしてもらったおかげで、すっかりオバさんと意気投合してしまったようだ。
「リュージ、彼女にタクシーのお金払ってあげて。一万五千ペソ。いいでしょ」
そういえば、前日に考古学公園を往復した料金をまだ払っていなかった。短い距離ではあるが、三回出動してもらったわけだから、高くはなかった。オバさんは、料金を受け取ると、笑顔で去って行った。
「どうしようか」
エバに尋ねると、
「あのね、カリに行くには二つ方法があるの。ひとつはバスでポパヤンを経由して行く方法と、ネイバにバスで戻って明日飛行機でカリに行く方法。さっき聞いたら、ポパヤン経由だと、すごい山道で、崖崩れで危ないって。だからネイバにしない? ネイバだと、バスで五時間ぐらい。そこでホテルに泊まって、明日の朝、飛行機でカリに行く。ネイバ行きのバスは六時半出発よ」
ポパヤン経由のバスだと、危ない上に、十二~三時間かかる。五時間ならともかく、朝までバスに押し込められるのは、体の大きいわたしには苦痛だった。それに対して、ネイバだと五時間。深夜の十一時半に着くというのは不安もあったが、エバと一緒だから、大丈夫だろう。ホテル代や飛行機代はかかるが、安全さを考えてネイバ経由にした。
「じゃ、バスの時間まで、レストランに行く。わたし、おいしいレストラン、彼女から聞いたの」
わたしはエバに付いて、メインストリートにある小さなレストランに入った。メインストリートといっても、車が二台ようやくすれ違えるような程度の道である。
テーブルに座ると、メニューをウエイトレスの女の子が持って来た。
「ここはチキンがおいしい店なの。チキンにしようね」
エバにそう勧められて、二人でチキンの定食を注文した。ビールを飲みたかったが、トイレに行きたくなると困るので、飲み物はコーラにした。チキンは香辛料を使って照り焼きにしたものだった。なかなかうまかった。やっぱり、コロンビアにいる限り、へたな日本食は必要ないなと思った。
量が多いので、食べきれずに雑談していると、六時近くになった。店の前にバスが止まった。「このバスかな」と思って腰を挙げかけると、路上にいた男が「ポパヤン、ポパヤン」と大きな声で叫び始めた。エバが「あれはポパヤン行くバス。まだだいじょうぶ」とわたしを押しとどめたので、再び腰を下ろした。その間に、エバにバスのチケットを二人分買ってもらった。一人一万五千ペソ。二人で三万ペソだった。
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