[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
バジェナートとは、コロンビア北部のカリブ海沿岸のカルタヘナ、サンタマルタ、バランキージャなどの町で盛んな民俗音楽である。
ボタン式のアコーディオンを使うのが特徴だ。三人の楽団も、ひとりがアコーディオン、もうひとりが金属器を叩いてリズムを取る、残りのひとりがボーカルという編成になっていた。
チバには七~八人がすでに前列に座っていた。ホテルカリベからは、わたしたちのほかに数人の客が乗った。すぐにわたしたちのチバは、バジェナートを奏でながらゆっくりと進み出した。
五分ほど走ると、いったん停まった。また客が数人乗りこんだ。そしてまた走り出し、ホテルで客をピックアップして走り出すのを繰り返した。
だが、よく見ていると、さっきから同じ道をグルグル回っていた。ホテル間を最短距離で走って客をピックアップするのではなく、適当に道を流しながら時間調整して走っているという感じである。
四十分ほどかかって、ツアーのオフィスらしきところで停まり、そこで最後の客を拾った。ほぼ満席になった。同時に、客それぞれに紙コップが手渡しで渡された。ベンチシート一列に、「ロン」というラムの一種が一本、コーラが二本ずつ、氷の入ったバケツがひとつずつ配られた。
ロンをコーラで割って飲む、「キューバリブレ」に近い酒を作って、みんなで飲むというドリンクサービスである。ただし、このロンは、日本で売っているラムよりも安いのはもちろん、アグアルディエンテよりも安いという代物だ。日本でいうチューハイやホッピーに相当するようなものだった。
ドリンク類を補給して、チバはボカグランデ地区からセントロ地区に向かって走り出した。ようやく本格的なツアー開始だ。引率者らしい三十歳くらいの男が、マイクを握って何やら叫び始めた。
もちろん、スペイン語で、わたしにはさっぱり分かりない。だが、客たちは異様な盛り上がりで、男がひとこと喋るたびに「イェーイ」と喚声を挙げている。横を見たら、エバも「イェーイ」と叫んでいた。
もうノリノリで、目をウルウルさせている。日本人にとってはハワイやグアム、サイパンに相当する高級リゾート地に来て、開放感が爆発したようだった。こんな楽しそうなエバは、久しく見たことがなかった。連れて来た甲斐があったと思った。
エバが、「今度はリュージ、あなたの番よ」と言った。恥ずかしかったが、仕方なく立ち上がって踊った。日本人のわたしが踊ったことで、一段と大きい喚声が挙がった。
新著「体験ルポ 在日外国人女性のセックス」(光文社刊)好評発売中。
「サイバーセックス日記」http://demachiryuji.seesaa.net/
「洋楽カラオケ日記」
http://ameblo.jp/demachiryuji/
「裏ストリップ30年回顧録」
http://arecho.blog98.fc2.com/