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カニャンドンガを出て大久保通りに向かおうとしたら、一台のタクシーが進入してきた。こんな細い道に入って来るなんて珍しいこともあるものだ。ひょっとして職安通りに出る裏道として通ろうとしたのか。
すると、クリスがすかさず手を挙げてタクシーを停めた。大久保から歌舞伎町まで行くのにタクシーに乗るなんて、日本人なら考えもしないだろうが、彼女たちには地理的感覚はない。とにかくこんな所で歩くのは「仕事」でもないかぎり嫌なのだ。
「歌舞伎町」と言うと乗車拒否をされるかと思ったが、案外すんなりと乗せてくれた。色気ムンムンの外人女三人が乗って、運転手は意外に上機嫌だ。夜中で空車や無線予約のタクシーがいっぱいで、なかなか進めず、ワンメーターで行けると思ったら千五十円もかかってしまった。
ラテンブラザースに着いたときは、午前二時半ぐらいだった。店内はほぼ満員で、かろうじて座るテーブルを見つけて座った。クリスが店員を呼び、今度はウイスキーを注文した。何で割るかと聞くので、コーラと言った。普通なら水割りで飲むが、今日は車だからあまり飲めない。コーラを注文しておけば、コーラだけでも飲むことができるのでコーラにしたのだ。
店員はウイスキーが半分くらい入ったボトルを持ってきた。クリスが常連で、ボトルをキープしているのかと思ったが、そうではなく、こういう店では一本飲み切れない人の為にハーフボトルで売るシステムがあるのだ。
この歌舞伎町でスナックや立ちん坊をしている女ならともかく、全国各地を転々としているストリップ嬢たちは、今度いつ来られるか分からない。ボトルをキープしたって無駄になるかもしれないから嫌がるし、店のほうだって、いつ来るか分からない客の為にボトルを保管しておくスペースはない。双方にとって都合のよいシステムなのだ。ちなみに、ボトルはジョニ赤が一般的だ。
三人の中で一番積極的なのは、わたしに声をかけてきたクリスだ。水割りとコーラ割りを作って、四人で「サルー(乾杯!)」とやるや否や、踊ろうと言い出した。サルサはちょっと難しそうなので敬遠して、ノリのいい、テンポの早いメレンゲがかかった時に応じた。三人ともわたしが何とか踊れるのでびっくりしていた。
女をくるくる回したりするのは難しいが、抱き合ってリズムにのせてステップを踏むぐらいならなんとかできた。
実はこのラテンブラザースには、四~五回来ていた。最初はコロンビア人ホステスばかりいるスナックのママや女の子たちと、店が終わってから来て、踊りを教えてもらった。それ以来、ちょくちょく来ていたのだ。
ふと見ると、二日前に来たときにいた二人の女が今日もいた。その時は、知り合いのお笑いタレントたちと来たのだが、帰るときにその女の子たちに声を掛けられた。いっしょに踊ろうと声をかけた時は断ったくせに何だと思って聞くと、残ったボトルをプレゼントしてくれないかという。
ほんの三十分ほどしかいなかったので、ボトルはほとんど残っていた。彼女たちは、そこに目を付けたらしい。ボーイに特別にキープしてくれるよう頼んでおいたのだが、しょうがない。プレゼントしてやることにしたのだ。
その彼女たちがクリスたちと顔見知りらしく、話をしたりしているので、こちらも声をかけた。「二日前にボトルをプレゼントしてやったろう」と言うと、思い出したらしく、「この前はどうもありがとう」と言った。あまり、性格はよくなさそうだ。
クリスに彼女たちの仕事も劇場かと聞くと、「そう」と言った。毎日のようにここに顔を出しているところをみると、今週はおおかた新宿の劇場に出ているのではないか。
ふとカウンターのほうを見ると、また知った顔がいた。ほんの数カ月前に日本に戻ってきたペギーだ。そのときは新宿で見た。彼女は大柄で少し色が黒いメスティーソらしいが、サービスはいい。彼女がいた四~五年前に六~七回相手をしたことがある。
わたしの顔を見つけると、彼女から声をかけてきた。「しばらく。元気?」。この「元気」という日本語は、コロンビアーナが覚える最初の日本語なのではないか。もしくは、最も多く使う日本語だろう。
例えば、プライベートルームに入って、彼女たちが最初に言うのがこの「元気?」という日本語だ。別に風邪を引いているとか、病気かを尋ねているのではない。チンポコが元気かを聞いているのだ。男のチンポコが元気がないと、立たせるのに時間がかかるし、いかせるのに時間がかかって仕事にならない。それで元気かを尋ねるのが口癖になっているのだ。
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