[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
翌金曜日の朝は、いつものようにトーストと卵焼きの朝食で済ませた。昼過ぎに、エバが整形外科に予約してあるので一緒に行かないかと言い出した。整形の話は以前から何度か言っていたが、まさか本気でするつもりだとは思わなかったが、興味もあったので、言われたとおり付いていくことにした。たぶん、治療代もわたしに払わせるつもりなのだろう。
といっても、明日から旅行に行く予定なので、今日手術をするつもりなのではあるまい。カウンセリングというか、手術代や手術日の打ち合わせをするつもりなのではないかと思った。
タクシーを拾って、病院へ向かった。途中、エバはタクシーの運転手の男となにやら話し出した。話の内容は、整形手術のことらしい。しばらくして、エバは運転手の男に自分の家の電話番号を書いて渡した。何を話していたのか詳しく聞くと、運転手の知り合いに、いい整形外科医がいると言うので、連絡先をあとから教えてもらうのだと言った。
危ないと言われるコロンビアで、タクシーに乗り合わせただけで、まったく見知らぬ男に自分の家の電話番号を簡単に教えてしまう神経も分からなかったが、自分が整形するということを、平気でペラペラ話す神経も理解できなかった。韓国女性も整形に対する羞恥心がないと言われるが、コロンビアでも整形というのは恥ずかしいことではないのだろうか。文化の違いとはいえ、妙な気持ちがした。
三十分ほど走って、車はあるオフィスビルの前に止まった。どうやらオフィスビルが立ち並んでいる様子と、車の走った方向から推測すると、セントロの一角らしい。エバと一緒にエレベーターに乗り、そのビルのワンフロアーを占めている整形クリニックに入った。
エバは受付の女性となにやら話し始めた。どうも長引きそうなので、すぐ脇にある待合室のソファに座って、話が終わるのを待つことにした。しかし、待合室にいるのは、みんな妙齢の女性ばかりで男はわたし一人。しかも東洋人ということで、みんなからジロジロ見られて居心地が悪いったらなかった。
待合室を見まわしていると、「シュルジー」と書いた文字が目に入った。それで、わたしは初めて「シュルジー」が英語なのだと分かった。エバは日本にいるときから、ろ「シュルジー」「シュルジー」と整形手術のことを言っていた。それをわたしは「しゅじゅつ」という日本語がちゃんと言えないからだとばかり思っていたのだ。
しばらくすると、エバがわたしのほうに寄ってきて、「時間かかる。今日はキャンセル」と言った。確かに、待合室にいる女性たちの数からいって、入ってきた順だとすれば何時間もかかりそうだ。だが、エバはそのために「予約」してきたのではなかったのか。それとも「予約」がオーバーブッキングしていて何時間も待たされるのか。だったら、予約なんてあってもなくても同じようなもんだ。
エバは次にいつ予約を入れたのかは言わなかった。おそらく、わたしが帰ったあとに一人で行くつもりだろう。それとも、タクシーの運転手に紹介されたクリニックに行ってみるのだろうか。どっちにしても、彼女の整形に反対なわたしには、どうでもいいことだった。
新著「体験ルポ 在日外国人女性のセックス」(光文社刊)好評発売中。
「サイバーセックス日記」http://demachiryuji.seesaa.net/
「洋楽カラオケ日記」
http://ameblo.jp/demachiryuji/
「裏ストリップ30年回顧録」
http://arecho.blog98.fc2.com/