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翌朝は九時過ぎに目が覚めた。パンとコーヒーで朝食を済まし、片山氏やエレーナたちと話しているうちに、昼飯どきになった。
「あー、腹へったな。ラーメンでも作るか」
片山氏が日本から持ちこんだラーメンを作り始めた。わたしには、外国に行くときに日本食を持って行くという発想がまったくない。日本食が食べたくて我慢が出来ないほど長期間にわたって渡航することはまずないし、その気になれば、ちょっとした都市なら日本レストランくらいあるだろう。万一なくても中華レストランに行って、チャーハンでも食べれば日本食への飢餓感は紛れる。第一、荷物になるだけだからだ。
出来あがったラーメンを、みんなで分けて食べた。住み込みのメイドも食べていた。まだ十七~八歳くらいだ。かわいらしさがあるのだが、インディオの血が少し濃いのだろう。色が黒くて、日本では商売にはならないタイプだった。日本に行ったことがあるのならともかく、こんな得体の知れないものを食べさせられて、本当は苦痛なのかもしれなかった。
「リュージさんがもっと早くカルタヘナに来ていたら、みんなでロサリオ島へ行こうと思ってたんだけどね」
「ロサリオ島って、遠いんですか」
「いや、近いよ。ここから船で一時間くらい。カルタヘナの海は、あんまりきれいじゃないんだよ。見たとおり。だから、ロサリオ島の方がきれいでいいんだ。でも、朝早く行って、夕方帰ってくるという一日ツアーなんだ。だから、今日はもう無理だ。一度見ておくといいんだけどね。明日、行こうか」
「でも、明日、ボゴタへ帰るんでしょ。午前十一時の便で」
「いや、あさって、直接ボゴタの空港に行って、そのまま日本に帰ろうと思っているんだ。リュージさんもいっしょにしないか」
「いや、わたしはエバのアパートにトランクを置きっぱなしにしているんです。明日帰って、荷物を片付けないと」
「そんなのエバに空港まで持ってこさせればいいじゃないの。こっちの方が面白いよ」
「でも、いろいろ頼まれているみやげ物も買わなくてはいけないし」
新宿のコロンビアレストランのママから、わたしはコロンビア料理に不可欠な「マサパン」というとうもろこしを挽いた粉を大量に買ってきてくれと頼まれていた。これは「アレーパ」という、コロンビア人にはパンに相当する主食の原料で、その粉を水で練ってフライパンで焼くというものだった。
主食になるものは、米でもパンでもナンでもそうだが、基本的に味がない。「アレーパ」も味がなくて、バターなどを付けて食べるのである。コロンビア料理にはほとんど抵抗のないわたしでも、コロンビアーナたちが好んで食べるこの「アレーパ」だけは、味がしないのでなじめなかった。
もうひとつ、わたしはチョコラーテという物も頼まれていた。これはカカオを原料としたもので、チョコレートと同じだと考えていい。ただ、砂糖を入れたものと入れてないものがあるらしく、わたしは砂糖入りを十本頼まれていた。これをお湯で溶かして、ココアのようにして飲むのだ。一度試してみたが、砂糖入りは日本人にはあまりにも甘すぎて閉口した。しかし、約束だったから、買って帰らなくてはならなかった。
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