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わたしとエバは、再びタクシーを拾い、観光案内所に向かった。タクシーはオフィス街のとあるビルの前で停まった。エバに促されてビルの中に入ると、一階の入り口にガードマンが立っていた。観光案内所の場所を聞くと、すぐ一階のすぐ目の前だという。
ところがオフィスは昼休みで閉まっていた。時間を見ると一時だ。ラテンの国らしく、昼休みは二時までらしい。とにかく時間を潰すため、もう一回外に出た。
オフィス街なので、きちんとスーツにネクタイを締めたビジネスマンや、スカートをはいたOLたちが道を行き来している。日本に出稼ぎに来ているラティーナたちは、ほとんどスカートをはかない。スカートをはくのはスナック勤めをしている女たちだけで、それも店の中だけだ。
彼女たちのジーパンにへそ出しルックばかり見慣れたわたしには、スカートをはいたラティーナたちの姿はすごく新鮮に思えた。同時に、いい年をして綿パンに汚いジャンパー姿のわたしの姿が、とてもここには似つかわしくないと、恥ずかしくなった。
昼食は摂ったので、どこかお茶を飲める店を探した。しかし、ハンバーガーショップみたいな店が、見渡した限りではない。向かいのビルにコーヒーショップらしい店を見つけたので行ってみた。
ところが、見てみると軽食屋のようだった。エバに飲み物だけでもいいか聞いてもらった。大丈夫だというので入って、二人でジュースを注文した。
客はわたしたち二人だけだった。
「エバ、わたし、こんな格好で恥ずかしいな。みんな、ネクタイしてる」
「大丈夫。あなた、日本人」
「でも、ここにいる日本人なら、みんなネクタイとかしてるだろ。さっき、あの日本人の会社行ったときも恥ずかしかった。どっかで、服買いたいんだけど。服をあまりたくさん持ってきてないんだ」
「オーケー、あとでね」
下着の替えもなくなってきたし、今日中になんとかする必要があった。
雑談しているうちに二時になった。清算して店を出て、先ほどの観光案内所に行った。今度は、オフィスは開いていた。といっても、三十くらいの女性が一人いただけだった。オフィス自体もお客が四、五人座れるくらいのカウンターがあるだけの、こじんまりしたものだった。
地図が欲しいと言うと、ボゴタのか、それともコロンビアのかと聞かれた。とりあえずあるものはみんな見せて欲しいと頼み、コロンビア全体の地図と、ボゴタの市内地図、エバの出身地であるサンタンデール州の地図、そのほかに観光名所のパンフレット、ボゴタ市内のお店のガイドブックなどをもらった。地図は有料だった。
わたしが日本人だと知ると、日本語のもあると言って、二種類のパンフレットを出してくれた。コロンビアの経済開発省・観光庁が発行しているもので、一つは八ページの薄っぺらいもの、もう一つは六十ページほどある立派なものだった。立派な方は、やはり有料だった。
とはいえ、日本に帰っても、コロンビアに関するものは何もないに等しい。有料だろうが無料だろうが、とにかく手元にある情報はゼロに等しいのだから、手に入るものはすべて分けてもらった。
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