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A氏のオフィスを出て、エレベーターで一階に降りた。エバと約束していたコーヒーショップを覗いたが、彼女の姿が見えない。店員に聞いたが知らないという。勝手に帰ってしまったのかと一瞬怒りがこみ上げて来たが、隣りの店からエバが現れた。ほっとした。
「エバ、何か食べる?」
「うん」
辺りを見回すと、ビル内にカフェテラス風のお店があった。
「ここでいい?」
「大丈夫」
その店は地中海風料理の店だった。オフィス街にある店だから、わざと外国風を気取った店なのだろう。丸の内のOLたちがランチにイタメシを食うような感覚なのだろうか。スープとジュース、肉料理を注文した。メニューを見ながら、エバが「高いね」と言った。オフィス街だから、多少は高いのだろうが、なにしろコロンビアに来て初めての外食なのだから、相場というものが分からない。
「リュージ、彼の話、どうだった。夜、彼と食べるの?」
「ノー。彼、冷たい。話だけね」
エバはがっかりした様子だった。そんなにわたしを誰かに押し付けたいのか。
食事を終わり、清算すると、一万ペソほどだった。日本円で約千円。確かにコロンビアの相場からすれば高かった。エバはチップを置いておくのか聞いたら、「いらない」と答えた。
確かに正式なレストランではない。軽食喫茶みたいな店だったから、チップは必要ないのかなと思った。
「リュージ、これからどうする」
エバが尋ねた。
「うーん。マパ(地図)が欲しい。本屋さんか、ここに書いてあるCNT(観光案内所)に行けばあるだろうから」
わたしは「地球の歩き方」に載っている二つのCNTの住所を見せた。コロンビアはどの街も、縦の通り「カレラ」と横の通り「カジェ」が基本的に碁盤の目のように交差していて、「カレラ70」とか「カジェ45」とか通りの番号が付いている。だから縦と横の通りの番号さえ分かればだいたいの位置が分かるようになっている。
とはいっても、地元の人間には分かっても、旅行者が自由に行動するには、ちゃんとした地図がないと不可能だ。「地球の歩き方」に載っている市内地図は、ボゴタの中心部だけしか載っていないし、簡略化されすぎている。スペイン語のものでいいから、しっかりとした地図が欲しかったのだ。
「ああ、ここ近い」
エバが一つの観光案内所のアドレスを指差して言った。
「オーケー、そこ行く」
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