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夕方五時には大学に行くと言っていたのに、五時を過ぎてもエバは出かける様子を見せない。不思議に思い、「もう五時になったよ。大学行かないの」と言った。すると、「友だち来るの、待ってる。いっしょに行く」とエバは言った。
わたしは「あー、男だろ」とカマをかけてみた。しかし、「ノー、女」ときっぱり言った。わたしは少し安心した。
ふたたび土産に持って来た日本のCDを聴いていると、エバが「日本、会いたい」と言いながら、日本で撮った写真の数々を持ってきた。「日本、会いたい」というのは、日本が懐かしいという意味だった。
楽屋で撮った自分のセミヌードの写真に混じって、数人の男と写っている写真が十数枚あった。中にはラブホテルの入り口で撮ったらしい写真も含まれていた。わたしには「写真は嫌い」と言って、なかなか撮らせなかった。ましてやホテルでの写真など、絶対に撮らせなかった。それなのに、他の男にはこんな写真を撮らせていたのか。ムカッ腹が立ってきた。
写真の日付から見ると、わたしと知り合う前に撮った来日直後の写真数枚以外は、全部わたしと別れた前年五月以降のものだった。それ自体は、文句は言えない。
ところが、わたしの写真は一枚もなかった。あまり撮らせなかったとはいえ、海や遊園地、鎌倉などへ遊びに行った写真が数百枚はあるはずだ。
わたしの表情が曇ったのを見て取ったのか、エバが言い訳をした。
「あなたの写真、ない。たぶん、イタリアにある。お姉さん、持っていった」
「ノー。たぶん、あなた、ゴミにしたね」
「ノー。ある。イタリア」
確かにサリーとエバの三人で豊島園に遊びに行ったことがあり、その写真を何十枚も渡したことがある。だから、その写真を持っていくなら分かる。だが、いくらサリーが日本を大好きで、わたしに好意を持っていたとしても、エバと二人だけで行った銚子の犬吠岬や鎌倉での写真まで全部持っていく必要はないはずだ。
エバはわたしの写真を、全部捨ててしまったのに違いない。そういえば、わたしの前に付き合っていたというイラン人の写真もなかった。そのイラン人とも、彼女はすごい喧嘩別れをしたらしい。その時点で全部破り捨ててしまったのではないか。
いま持っている写真は、そんな決定的な喧嘩別れをする関係ではなかった「お客さん」に撮ってもらった写真なのだろう。
「でも、これ、もうすぐゴミにする」
エバは言い訳がましく言った。本当に捨てる気があったら、もうとっくに捨てているはずだ。忌まわしい楽屋での写真など、本来なら真っ先に捨てているだろう。それなのにまだ未練がましく持っているのは、まだ「ジャパンマネー」に執着しているからなのか。
わたしと別れる前だったら、こんな他の男の写真など絶対に見せなかった。それよりなにより「仕事」でホテルに行く以外、遊びに行くことはしなかった。男の写真を平気で見せたということは、いまわたしのことを何とも思っていない証拠なのか。本当に腹が立ってきた。
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