[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
十分ほど休憩して、また歩き出した。すると、エバがこう囁いた。
「あのガイドの男。わたしにあの日本人、おかしいっていうのよ」
「おかしい?」
わたしは彼の英語の説明を生返事していたので、それで頭が悪いのかと思われたのかと思った。
「日本人は、みんなグループで来る。でも、彼はひとりで来た。だから、おかしいって言うの」
コロンビアではカルタヘナ、サンアンドレースと並ぶ観光地だけに、こんな辺境の地にも日本人は来ているのかと思った。だが、やはり日本人が集団でしか行動できないということを、こんな辺境の地のガイドが知っているほうが面白いと思った。コロンビアまで、たったひとりで女を追いかけてくるなんて、やっぱりわたしのほうが変わっているのだろうか。
一時間ほどかかって、元のゲートのところに戻った。その入り口のところに小さな「考古学博物館」があった。ここは、サンアグスティンの先住民文化についての説明や、墓から出土した副葬品、装飾品、土器などを展示してある建物である。たいして見るべきものがなかったし、スペイン語のパネルを読んでもさっぱり分からないので、ざっと流して通りすぎた。
すでに、迎えのジープを予約した五時少し前になっていた。もう終わりかなと思ったら、ガイドのじいさんはわたしたちを、その向かいにある「台地D」と名づけられた庭に連れていった。そこにもいくつかの石像が並んでいたが、「パルケ」にあったものとほとんど同じだったし、時間もなかったから、「もういいのに」という気持ちで付いて行った。
じいさんの案内が終わったのは、五時十分を過ぎていた。ほかのガイドはもう誰もいなかった。約束のガイド料、一万五千円を払う段になったとき、じいさんは「英語とスペイン語、両方で説明したので疲れた。割増料金をくれ」と要求した。やっぱりきたかと思ったが、二倍しゃべらせたのは確かなので、三千ペソ上乗せして、一万八千ペソ払った。
金を払うと、じいさんは「明日はどうするのか」と聞く。ジープで回るつもりだと言うと、「ジープにはガイドが付いていない。一日三万ペソでガイドしてやるからどうだ」と言った。これ以上、たかられても嫌だし、説明を受けてもエバはともかくわたしには分からないので、金の無駄だと思った。エバはガイドしてもらいたそうだったが、はっきり「ノー」と言うのも気が引けたので、「考えてみる」と言うと、「わしの連絡場所はここだ。明日の朝までだいじょうぶなので、その気になったら電話をくれ」と言って、紙に電話番号を書いてよこした。電話するつもりはなかったが、いちおう「グラシアス」と言って、じいさんと別れた。
出口を出てみると、ジープがいなかった。さては時間が過ぎていたので行ってしまったのかなと思った。エバに「歩いて帰ろうか」と相談しているときに、オバさんの運転するジープが登ってきた。やっぱりコロンビア時間だった。
新著「体験ルポ 在日外国人女性のセックス」(光文社刊)好評発売中。
「サイバーセックス日記」http://demachiryuji.seesaa.net/
「洋楽カラオケ日記」
http://ameblo.jp/demachiryuji/
「裏ストリップ30年回顧録」
http://arecho.blog98.fc2.com/