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リリアナと彼女の娘のメリーと記念写真を撮ったあと、エバと二人で大通りに出た。
「ここ、タクシー来ない。だから、バスで途中まで行く。あとでタクシー。オーケー?」
エバの指示に従い、バスの来るのを待った。人通りはほとんどない。タクシーが通りかかったら拾おうと思ったが、一台も通らない。ノルテといえども郊外だから、流しのタクシーなどめったに来ないのだ。
十分ほど待っていると、ようやく一台のバスが来た。タクシーが拾えるところまで行けばいいのだから、どんなバスでもよかったのだが、運よくエバがいつも使っているバスが来た。
十五分ほど走ると、終点のショッピングモールに着いた。買い物をしたショッピングモールとは別のところである。
「ここよ、ここでタクシーに乗る」
エバに促されて、つけていたタクシーに乗った。エバが番地を運転手に告げた。今度は男の運転手である。ボゴタは東西の通りと南北の通りが基本的には交差して成り立っている。だから、「何番通りと何番通りの交差点」と言えば、その地点まではたいてい迷わず行ける。運転手は無言で車を走らせた。
エバの部屋に戻ったあと、わたしは彼女に聞いた。
「エバ、旦那さんはどうしてどこかに行っちゃったの」
「知らない」
「本当に彼は何も仕事してないの」
「そう」
「どうして。仕事がないといっても、なんかあるだろ」
「……。あなた、コロンビアに来て、なに感じた?」
「コロンビア、何でもある。道も広いし、コーヒーやエメラルドもある。本当は貧乏じゃない。男がみんな怠け者だからじゃないのか」
「わたしもそう思う」
「リリアナの旦那だって、おまえがお金を援助するから、その金を当てにして、働かないんだろ。おまえがお姉さんのファミリーを駄目にしてるんじゃないのか」
「たぶん、そう。でも、それがコロンビアスタイル」
エバははっきりと言いきった。エバはすべてを分かっていて、それでもお姉さんたちに体を売って得た金で援助していたのだ。
リリアナの旦那はピンピンしていた。身体障害者ではない。三十歳代の働き盛りだ。いくら仕事がないといっても、肉体労働でも探せば何かあるだろう。赤ん坊を抱えた女房にばかり働かせていないで、少しは家計の足しになることをすればいいのだ。
おそらく、以前はちゃんと働いていたのだと思う。だが、女房の妹が日本に行き、コロンビアでは考えられないほどの大金を稼いできた。ときどき自分が汗水たらして稼いだ以上の金を援助してくれる。それでばからしくて働かなくなったのではないか。
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