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リリアナは、わたしにこれからコロンビアのどこに行くつもりなのかと尋ねた。わたしは「エバたちの両親の墓があるというバランカメルヘハに行きたい」と言った。リリアナと旦那は、口を揃えて「危ないからよした方がいい。わたしたちでも何年も行ってない」と言った。
地図を見てると、州都ではないにしても、一応都市にはなっている。少なくとも三、四万人くらいの人口はあるだろう。ゲリラが出没するという、山岳地帯ならともかく、そんな街でも「危ない」と言われるのだ。とんでもないところに来てしまったというきになった。
「それならサンアングスティンに行きたい」とわたしは言った。サンアングスティンは、「地球の歩き方」によれば、インディオたちがコロンブスの征服以前に作っていた石像文化のある古代遺跡の町である。石像といっても、紹介されている写真を見ると、イースターのような人の顔をモデルにした巨石文化ではなく、猿などの動物や人の顔を形取ったりした小さな石像が数百もあるらしい。
「サンアングスティン? あそこも危ないよ。どうしても行きたいのなら、わたしが付いていってやろうか」
リリアナの旦那が言った。わたしとエバは、顔を見合わせ「考えてみる」と言った。リリアナの旦那が付いてきたら、それだけ旅費もかかる。それにエバだって、弟か兄ならともかく、いくら義理の兄とはいえ血の繋がっていない男とわたしの三人で行くのは嫌なのだろう。
しばらく雑談していて気が付くと、リリアナの旦那がいなくなっていた。
エバに「お姉さんのハズバンド、どこにいったの」と聞くと、「外に遊びに行った」と言う。
「彼は何の仕事してるの」
「何もしてない。仕事ない」
リリアナにとってわたしは妹の大切な「恩人」のはずだ。だが、彼にとっては、自分の国の女を金で買いあさっているスケベな日本人の一人にすぎないのかもしれない。腹の中ではそう思っていても、わたしたちの前ではあからさまにはできない。それで逃げ出してしまったような気がした。とうとう彼は、わたしたちが辞去するまでアパートに帰ってこなかった。
三十分ほどして、エバがアパートに帰ろうと言い出した。十時をすぎていたから、ちょうどいい頃合いだった。だが、その前にエバがお姉さんのために買い物をすると言って、団地の中にある食料品店に連れて行かれた。コンビニよりも小さい店だが、コーラなどの飲料水から肉類まで、一応の食料は揃っていた。
エバは一人で牛乳や卵、マサパンというコロンビア風パンを作る小麦粉など次々とかごに詰めていった。結局、この料金もわたしが支払わされた。一万六千ペソくらいのものだったが、どうしてここまで払わされるのかという気になった。
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