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わたしが帰ろうとしたとき、入り口から入ってきた男がわたしに話しかけてきた。
「失礼ですが、彼女とはどういう関係ですか」
口調は穏やかだったが、いかにもわたしを怪しんでいるという様子だった。
「友人です。ディスコで出会って、それから…。病気になったときは病院に連れていったこともありますし」
「ほう、それは金がかかったでしょうね」
「いや、友人が医者なもので、たいしては」
「そうですか。じゃ、けっこうです」
一瞬、取調室にでも連れて行かれるのかなと思ったが、それ以上は、つっこんで聞かれなかった。前回面会に行ってもらった友人は、フリーライターの名刺を出して、副署長に逮捕されたときの状況を聞いたそうだ。取材だと思われたらしい。わたしのことも、いろいろ聞くと逆に取材されると思って警戒していたのかと思った。
わたしは警察署を後にして、まっすぐ空港へ向かった。東京へ戻り、夜にコロンビアレストランのママに頼んでイタリアのサリーとコロンビアのお姉さん、リリアナの会社に連絡をしてもらい、エバの様子と拘留の見通しを伝えた。サリーは自分の住所と銀行の口座をわたしに教え、そこに振り込むように再度要求した。わたしは判断はエバに任せることにした。金のゴタゴタに巻き込まれたくなかったのだ。
エバのことを心配していたクラウディアにも電話した。だが、携帯電話が通じない。何回かけても留守電になっている。伝を頼っていろいろ調べて見ると、エバが捕まって約十日後、彼女も沖縄で逮捕されていることが分かった。彼女の仕事場に手入れが入り、外国人全員が捕まったらしい。沖縄はかなり遠い。わたしは彼女の本名を知らないし、そんな遠隔地に面会に行く余裕もない。エバの消息を伝えたいという気持ちと、コロンビアに行ったとき、エバだけでなく、クラウディアの強制送還後の生活を確かめたい気持ちもあったが、それ以上わたしの手には負えなかった。
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