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十時近くになって、エレーナがディスコに行かないかと言い出した。地元に詳しいエレーナの案内なら、昨日回ったチバによる観光コースとは違ったディープなカルタヘナの側面が見られそうだった。だが、片山氏は疲れているといって拒否したので、わたしとエレーナだけで行くことになった。
マンションを出ると、エレーナはマンション前に付けていたタクシーを拾った。どこに行くのかと思ったら、一キロも離れていないところにあるディスコだった。千二百ペソの料金を払いながら、エレーナは、「もう、どんな近いところでもタクシーで行っちゃうの。歩くと危ないしね」と言った。
地元で育ったエレーナでも、危ないと感じることがあるのだ。かつかつで食っている最下層のコロンビア人なら歩くだろうが、日本を知り、メイド付きの生活を送っているエレーナには、タクシーはすでに足代わりなのだろう。
彼女に案内されたディスコは、海岸通沿いにあった。入り口でひとり千五百ペソの入場料を払い、簡単なボディチェックを受けた。出入り口には、遊園地によくあるような、通るとパイプが回り、入場者がカウントされる器械が据え付けてあった。店員が知り合いを顔パスで入れたりしないように管理するためだろう。
ディスコの中はがらんとしていた。木曜日だからだろうか。チケットはドリンク付きだったので、ジントニックを一杯注文して飲んだが、客がいないディスコほどつまらないものはない。エレーナも、失敗したと思ったのか、十分もしないうちに、「ここはお客さんいない。次のところに行こう」と言った。
エレーナは、今度はタクシーでなく、歩いて海岸通りを岬のほうに向かって歩いた。途中で左に曲がれば、ヒルトンホテルだが、彼女はそのまままっすぐ歩いた。岬の先に、一軒の店があった。そこがディスコらしい。ディスコの前に十数人の若い女たちが、たむろしていた。
「カジェの女よ。昔はあんなのいなかっのにね。最近はカルタヘナも悪くなったのよ」
大久保や池袋、錦糸町によくいる立ちんぼが、カルタヘナにもいたのだ。よく考えて見れば、立ちんぼは欧米諸国のほうが本場なのである。日本でも江戸時代には「夜鷹」というものがあり、戦争直後にも進駐軍相手の立ちんぼがいた。だが、それらは最下層の売春婦であり、主流ではなかった。もちろん、コロンビアでも高級売春婦は秘密クラブなど、それなりのシステムがあるのだろうが、一般的なのはやはり立ちんぼのようだった。このシステムが、バブル崩壊後、日本の盛り場に進出していったのだ。
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