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夜中の三時ころに、小便がしたくなって目が覚めた。トイレに行こうとベッドルームのドアのノブを回したが開かない。鍵を締めてあるのだ。腹がまた立った。わたしはドアをどんどん叩いた。
しばらくして、エバが目をこすりながらドアを開けた。
「トイレ! どうして鍵かける」
わたしは怒りながら言った。
「あなた、ベッドに来る…」
「トイレに行きたいんだよ」
無言でトイレに行き、また無言でリビングの自分のベッドに戻った。エバがベッドルームのドアを閉め、またガチャリと鍵の閉まる音がした。情けなかった。いろいろトラブルはあったが、彼女にはいろいろ尽くしたはずだ。
警察の留置所、刑務所、入管と、彼女が捕まっている三ヶ月の間、二週間に一度、飛行機や深夜バスを使って面会に行った。その度に、彼女は「あなた、いつコロンビアに来る」と言った。彼女が帰ってからの電話でもそう言った。だから、はるばる大金をかけ、休みを二週間取り、こんな地球の裏側までやって来たのだ。それなのに、こんな仕打ちを受けるとは…。
腹が立って眠れずにいると、だんだん空が白んできた。朝まで眠れないかなと思っていたら、いつのまにか眠っていて、目覚しの音で起きた。エバはまだ眠っていた。ドアを叩いて起こし、洗顔とシャワーを済ませた。その間にエバがトーストと卵焼き、コーヒーを作っていた。コーヒーはインスタントだった。
外国に行くとよくコーヒーショップでもインスタントコーヒーを出されてびっくりすることがある。コロンビアはコーヒー豆の大輸出国だ。さぞかしみんなコーヒーばかり飲んでいるのだろうと錯覚するが、いい豆はみんな日本やアメリカなどの先進国に行ってしまうから、一般庶民はコーヒー豆から入れるなんて贅沢なことはしない。インスタントコーヒーをみんな飲んでいる。日本人のわたしだって、高校生になるまでインスタントコーヒーがコーヒーだと思い込んでいた。二十数年前までは、日本だってそうだったのだ。
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