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エバが行き先を告げ、タクシーは走り出した。だんだんビルが少なくなり、郊外に向かっていくのが分かった。
「お姉さんのアパートはどこ」
「ノルテ」
「エバのアパートと近いの」
「ノー。ちょっと遠い」
ノルテならエバと同じ地区だ。しかし、同じノルテといっても、日本の山の手と同じように広いのだろう。
「エバ、コロンビアには女のタクシーの運転手って多いの」
「少しいる。でもね、危ないから、彼女、夜遅い時間は仕事しないって。お客さんも、女性とか、きちんとした人だけ乗せる。レイプされることもあるから」
レイプといえば、エバも日本にいたとき、一度レイプされたことがあった。日本に来たばかりのとき、ある地方都市のスナックに彼女は派遣された。お客に連れ出された彼女は、男の車でホテルに向かった。ところが、男はホテルではなく、林の中に車を入れ、ナイフを出し、「俺はポリスだ。言うことを聞かなければ警察に連れて行くぞ」と、エバを脅した。
「そいつは本当にポリスだったのか」
「ノー。初めてのお客さんだったから分からない。わたし、そのときまだビザあった。でも、日本来たばかり。何も分からない。ポリス、怖い。だから我慢した」
「男はコンドームしたのか」
「ノー。それからわたし、いつもナイフ持っている。お店も、ホテルへはお客さんの車じゃなくて、タクシーで行くシステムになった」
わたしはこの話をエバから聞いたとき、はらわたが煮え繰り返った。その男が本当に警察官だったのか、それとも警察官を騙っただけなのか分からない。ただ、そういう売春スナックに、権力を利用してただ飲みに来ている警察官がけっこういるということは、ママや女たちからよく聞く。ありえないことではなかった。
だが、何をされても泣き寝入りせざるをえない弱みに付け込んでレイプするなんて、そいつが警官であろうとなかろうと許せなかった。妊娠や病気をもらわなかったのが不幸中の幸いだった。
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